母になった喜びと、日々かわいい我が子の成長を感じられる幸せで、子育てにがんばっているお母さんたちも多いことだろう。ただ、ふとした瞬間に、「ああ、しんどい……」と実感することはないだろうか。

女優・沢尻エリカ主演の日本テレビ系ドラマ『母になる』(4月12日スタート、毎週水曜22:00~)から、"母になる"ことを考える連載シリーズの第四弾の企画として、子どもをもつ女性マイナビニュース会員300人に、「母親になって実感した息苦しさはあるか」を聞いた。

Q.母親になって実感した息苦しさはありますか?

Q.母親になって実感した息苦しさはありますか?
はい 66.3%
いいえ 33.7%

Q.母親になって実感した息苦しさがあると回答した方にお聞きします。どのようなことをどのような時に実感したか、具体的に教えてください

「時間や自由がない/行動が制約される」

・「1日が100%自分のためには存在していないこと。全て捧げて当然と思われてるのがキツい」(40歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「お酒を飲むのが怖くなった。いざという時、正常な判断ができるか心配で飲めない」(44歳/新潟県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「ほとんどの時間が赤ちゃんによって行動を制限され、自由がなかった時。出掛けていても、赤ちゃんが泣けば慌てて帰らないといけません。家でも眠かったり疲れていても、赤ちゃんが抱っこしてほしかったりして泣けば、応えてあげないといけません。また夜は、夜泣き対応で30分で起きたり、抱っこで2時間過ごしたりもザラ。夫を寝かせるため、赤ちゃんが落ち着くまでがんばらなければならない時、夜中にひとりで辛い時は息苦しさを感じます」(30歳/富山県/サービス/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもが小さいと外出できない。ある程度成長するまで、目が離せない」(45歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「子どもはかわいいが、自分の自由な時間が全くなくなったこと! 趣味や、外でお洒落なお店でのランチが難しくなったことです」(35歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「自分のやりたいことが、思うようにできない。仕事を辞めなくてはいけなくなった」(35歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「自分の時間がない。県も市も協力的じゃないから、預ける場所もない」(26歳/奈良県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「遅刻をしないように。朝なかなか起きてくれない。子どもに時間をしばられてる感があります。いつまでに弁当を作るなど、時間に迫られたり」(50歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「独身の時や子どものいない時は、いつでも何をするのも自由だった。子どもが小さい赤ちゃん~幼児の時は常に一緒。お風呂も寝るのもトイレにも着いてくる。かわいいけど、たまにはひとりで自由に憧れたりした。息苦しい? とまでは……思ったか? 」(42歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「妊娠中から授乳が終わるまで食事に気を付けないといけないし、全く自分の時間が持てない」(32歳/埼玉県/官公庁/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

「周囲との関わりに苦労する」

・「同じ母親たちと接する時のモヤモヤ感がハンパない」(37歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「義母や親類の干渉。ありがたい反面、付き合いが面倒だった。次女が病気がちだったのもあり、余裕がなくしんどかった」(50歳/愛媛県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「父親と違い、仕事、育児、家事もこなして当たり前という社会全体というか周りの雰囲気。女性に負担がかかりすぎ」(44歳/東京都/生命保険・損害保険 営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「けっこう子連れに冷たかったりする。ベビーカーを蹴られたり」(26歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/フリーター)
・「子どもがうまれたら、『女性は母性神話にあふれるもの』という固定観念を押し付ける人もいたのが苦しかった」(51歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「子どもが年上のお友だちと遊んでいて、いじわるをされた時にママさんとのやりとりで」(27歳/和歌山県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「強くないのに強くいなければいけない。母子家庭なので、周りに控除されてズルいとか得だとか、彼氏がいればモラルがないと言いがかりをつけられる」(41歳/群馬県/繊維/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

「子育てや、子どもとの関わり方が難しい」

・「子どものお手本になれていない自分がいます」(48歳/奈良県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「自分には向いてないから、苦しい」(34歳/福島県/その他/その他・専業主婦等/フリーター)
・「約束事が、何回言っても分かってもらえない時」(45歳/滋賀県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「自分が思う『こうあるべき』と思い描いている姿と、子どもの行動がかけ離れている時」(41歳/茨城県/教育/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもが思春期になり、見守ることの難しさを感じた」(49歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

「責任や重圧を感じる」

・「きちんとした大人に成長させなければならない」(60歳/広島県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「悪質で残虐な事件の報道を見る度に、子どもが無事に帰宅するまで心配してしまう」(48/東京都/百貨店/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「自分がよかれと思ってやっていることが、子どものためになっているか心配することがある」(41歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/フリーター)
・「赤ちゃんの世話をしている時、人間の生死を預かっているという重責をリアルに感じた時。おっぱいを飲ませたり、眠れるように抱っこしたり、おむつをかえたり遊んであげたり、赤ちゃんと接している時には常にそれを感じている」(44歳/千葉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「息子が、知的障害かもしれない、ということで通院したこと。自分自身で、どうにもしてあげられない事態になった時……。誰が悪いわけではないことはわかっていても、申し訳ない気持ちと、先が見えない感じになって、辛かったです」(33歳/香川県/フードビジネス/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「健康にうんであげられなかったことにはとても自分を責めましたし、苦しみました」(44歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

「子どもが辛い目にあっている時」

・「子どもが病気をした時に、代わってあげたいが代わってあげられない時」(40歳/東京都/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「子どもが精神的に悩んでいる時、何もしてあげられなくて息が苦しくなる時が多々ある」(48歳/長野県/建設・土木/事務・企画・経営関連/個人事業主・会社役員)
・「自分のこと以上に、辛いことは辛い。例えば学校で辛い目にあったとか」(52歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/その他)

「その他」

・「自分が風邪をひいた時など、育児があるので休むことができない」(31歳/静岡県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「弱音が吐けないこと。いつも明るく元気な母でいないと子どもが心配するので、仕事や主人といろいろあった時に辛い」(39歳/兵庫県/輸送用機器/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「環境や教育、生活、金銭面などで、当たり前だけど思い通りにはいかない。病気でも休めない、お金がない」(42歳/宮城県/その他/その他・専業主婦等/求職中・無職)
・「大きくなるにしたがって、自分から自立していくこと(そうでなければ困るんですけれどね)」(60歳/神奈川県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「旦那の収入が悪すぎて、これからの金銭面が不安でしようがない」(35歳/岩手県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「誰にも頼れない。夫、祖父母、一度として保育園の送迎を頼んだことはありません。残業で迎えが遅くなってしまった時、誰にも頼れない現実に涙が出ました。行政は子育て支援とか言ってるけど、実際は、依頼するには前もって書類、面接。突然に頼りたい時に、行政なんてなんの手助けにもならない」(38歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「最近は毎日辛さしか感じない。辛い、逃げたい、人生をやり直したい。これで反抗期が来たら、対応できない」(39歳/千葉県/その他/その他・専業主婦等/フリーター)

母親になって実感した息苦しさ、あると回答した人は66.3%に

総評
調査の結果、「母親になって実感した息苦しさはあるか」との問いに「はい」と答えた人は66.3%となった。「どのようなことをどのような時に実感したか」については(複数回答可)、1位は「時間や自由がない/行動が制約される」で、半数近くの47.2%を集めた。2位は「周囲との関わりに苦労する」で16.1%、3位は「子育てや、子どもとの関わり方が難しい」で15.6%、4位は「責任や重圧を感じる」で10.1%、5位「子どもが辛い目にあっている時」は4.5%だった。「その他」は13.1%、「特になし・無回答」は1.5%となった。

全体の約3分の2が、「母親になって実感した息苦しさがある」と回答した。その中でも、半数近い人が指摘したのが、「時間や自由がない/行動が制約される」だった。小さな赤ちゃんの内は昼夜問わない授乳や夜泣き、少し大きくなればひと時も目を離せないなど、四六時中育児に追われている、という実感のこもったコメントが多かった。ついつい独身時代の自由な自分と比べ、息苦しさを感じてしまうようだ。

「周囲との関わりに苦労」しており、息苦しく思っている人も多い。義両親や親戚からの干渉や、ママ友との付き合いに疲れた、という声に並んで、子育て中の母親に対する周囲の理解のなさを嘆く声も見られた。

「子育てや、子どもとの関わり方が難しい」では、子どもに対して自分がしていることが果たして正しいのかを悩んでいる様子がうかがえる。「思春期には親子共々学校に呼び出され、校長室にまで呼ばれ怒られ、子どもを諭す日々。電話が鳴れば、また学校の先生なのでは? とビクビクな日々。ほとんど心休まる日はなかった。辛かった」など、切実なコメントが多かった。

4位の「責任や重圧を感じる」では、子どもを一人前に育て上げることへの責任やプレッシャーが、重くのしかかっていることが分かる。5位「子どもが辛い目にあっている時」では、「子どもがいろんなことで悩み苦しんでいるのに、それに気付けなかったり、気付いているのに何もできなくて、何か言葉をかけようにも反抗されたりすると、とても苦しくて辛い時期があった」など、子どもの苦しみに対して、何もしてあげられないもどかしさを訴えるコメントが多い。また「その他」では、誰にも頼ることのできない子育ての孤独に、押しつぶされそうな心情をつづったものが印象的だった。

子育ては母親に、体力的にも精神的にも大きな負担を強いるものとなる。たとえ子どもが元気に成長していたとしても、時には息苦しくなる瞬間が訪れるのも、無理のないことだろう。また、得てして子育ては、母親だけの孤独な戦いとなりがちでもある。周囲のさりげない、けっして押し付けがましくないサポートが、お母さんたちの気持ちを少しだけ明るくしてあげられる。今回のアンケート結果からは、そんなヒントが見つかったのではないだろうか。

調査時期: 2017年3月16日~2017年3月19日
調査対象: マイナビニュース会員(子どもをもつ女性)
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません

『母になる』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)
3歳で誘拐にあった息子が、9年を経て13歳になって現れ、それに関わる3人の女性たちが傷つきながらも「母になる」までの物語。出演は、沢尻エリカ、藤木直人、中島裕翔、道枝駿佑(関西ジャニーズJr.)、高橋メアリージュン、浅野和之、風吹ジュン、板谷由夏、小池栄子ほか。
(C)NTV

"母になる"こと

vol.1: 母になって、自分は変わったと思う?
vol.2: 自分に母親として点数をつけるとすれば何点?
vol.3: 無条件で愛したい! 母親になって実感した喜びは?
vol.4: 自分の時間はいずこ……母親になって実感した息苦しさは?
vol.5: 小池栄子が描く「母」、心理学者が語る「母としての物語」
vol.6: 小池栄子×心理学者が語る「生みの親」と「育ての親」の未来
vol.7: 2児のママ・板谷由夏が"怪獣たち"から学んだこと
vol.8: 毎週泣けると話題のドラマ『母になる』は、母と子の神話に別視点を示す物語
vol.9: 役者それぞれのリアルが現れた、ドラマ『母になる』