Googleは4月4日(現地時間)、自社のSDN(Software-Defined Networking)戦略「Espresso」を公式ブログで発表した。同社はEspressoをデータセンター「Jupiter」やネットワーク機能仮想スタックの「Andromeda」などに続く第4弾に位置付け、SDNをパブリックなインターネットに拡張して自社クラウドサービスの利便性向上を目指す。

Espressoは2年以上前から稼働し、Googleが発生させるトラフィック量の20%をインターネットにルーティングさせている。例えば利用者がスマートフォンのGoogleアシスタントから質問を投げ掛けた場合、Googleのデータセンターまでホップさせるよりも、インターネット上のEspressoから返した方がリアルタイムに応答できるという。

Espressoの役割の概念図(以下公式ブログより)

Espressoは10万台以上のサーバーをサポートするJupiterと、1ペタバイト/秒のネットワーク帯域で接続し、Googleの開発者が各キャンパスでデータにアクセスできる「B4」を構築。さらにGoogleクラウドプラットフォーム上で実行するコンテナーや仮想マシンへAndromedaを導入している。

フローを学習させる大規模なコンピューティング基盤とピアリングの仕組み

Espressoの導入で、エンドツーエンドのネットワーク接続を測定し、ネットワーク障害や混雑など利用状況に基づいた適切なサービスの提供が可能になる。また、パケットストリームの管理や学習をルーターではなく、大規模なコンピューティング基盤とアプリケーションを利用、各フローがどのように機能するか学習する仕組みを備えている。これらのパフォーマンスや可用性は、クラウドサービスであるGoogle Cloudや、Googleの各種サービスを高めると同社はアピールしている。

阿久津良和(Cactus)