ピジョンは4月3日の「葉酸の日」にちなみ、葉酸を上手に摂取するためのポイントを紹介した。葉酸は妊娠期のプレママが積極的に摂取したい栄養素のひとつとして知られているが、帝京科学大学 教育人間科学部幼児保育学科 上田玲子教授は、特に受胎前後3カ月は意識して摂取することが大切と話す。

葉酸を多く含む食材(日本食品標準成分表2015年版(七訂))

ビタミンB群の一種である葉酸は、2000年より厚生労働省が胎児の神経管閉鎖障害の発症のリスク低減のために、妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性への注意事項として、通常の食事からの摂取に加え、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400マイクログラム摂取するよう勧告している。なお、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、葉酸の摂取推奨量は、成人で1日240マイクログラム、妊婦で1日480マイクログラム、授乳婦で1日340マイクログラムとなっている。

上田教授は、「妊娠時期の予測は難しいので、日頃から葉酸が不足しないような食生活を心がけてほしいですね。特に受胎前後3カ月は、しっかりとりたいものです。また、産後の母体回復にも役立ちますから、妊娠前から産後まで不足しないよう意識的に葉酸を摂取するようにしましょう」とアドバイスしている。

葉酸が多く含まれている食材としてよく認知されているのはほうれん草だが、実はイチゴやマンゴー、牛・鶏・豚レバーや納豆にも多く含まれている。イチゴやマンゴーと組み合わせたスムージーで摂取するのもひとつの方法だ。

妊娠期・授乳期の栄養素の推奨量(日本人の食事摂取基準(2015年版))

ただし、葉酸だけを摂取していればいいというものではない。上田教授は、「妊娠期は健康な赤ちゃんがうまれるか心配になると思います。おなかの中で育つ赤ちゃんのことを考えて、バランスのいい食事をとるようにしましょう。妊娠期、授乳期は必要な栄養素を意識してとるようにしてください。また、授乳期は子育てに忙しく自分の食事は後回しになってしまうかもしれません。フリージングや電子レンジなどを活用してバランスのいい食事を心がけましょう」とアドバイスしている。

炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をきちんととるために、主食、主菜、副菜のバランスに気をつけて食事をすることが大切となる。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、妊娠期・授乳期の栄養素の推奨量をそれぞれ提示している。