ハイテク研究機関のベルギーimecならびにベルギーVrije Universiteit Brussel(ブリュッセル自由大学)、Hasselt大学、Audiのベルギー法人Audi Brusselsなどで構成される産業パートナー5者は3月29日(欧州時間)、製造現場における人間とロボットの相互意思疎通(ヒューマン・マシン・コミュニケーション)の新しいアプローチとして、ディープラーニングに基づくジェスチャ認識により、安全かつ柔軟な方法で人間と協力して作業を実現するコラボレーティブロボット(コボット)「Walt」を開発。Audi Brusselsの車載部品製造ラインに導入したことを明らかにした。

ディープラーニングの活用により、ロボットは人間を認識し、ジェスチャや動きを解釈して素早く状況に適応することができるようになったほか、Waltには、オペレータとのコミュニケーションを目的とした顔が装備されており、理解度を表情で表せるようになっており、認識の度合いを人間が確認する、といったことも可能だという。

なお、開発プロジェクトに参加しているベルギーRobovisionのCEOであるJonathan Berte(ジョナサン・バルト)氏は、「もはやソフトウェアエンジニアによってロボットの動作をプログラムする必要はなくなる。この考え方は、世界のロボット産業を根本的に変えるものとなる」と述べているほか、同プロジェクトも、今回の成果が、仕事の仕方やロボットとの関係による社会の変化を実証するための第一歩になるとしている。

コラボレーティブ・ロボット「Walt」は作業者のジェスチャによる指示を認識すると、顔部分が理解したことを示すスマイルになり、車載部品製造作業を開始する (出所:Audi Brussels)