NECは4月3日、人とAIが協調する社会を展望し、パーソナルデータを中心としたデータ流通・利活用に関し、法制度・倫理・生活者の受容性など総合的な観点から全社を牽引する組織として、「データ流通戦略室」を新設したと発表した。AIやIoTに関する技術やマーケティング・法制度・知的財産・CSRなど、関連領域のスキルを有する要員約10人の体制で活動を開始する。

同戦略室は、全社注力事業の牽引やビジネスモデル変革の推進などを担う「ビジネスイノベーション統括ユニット」内に設立。社外有識者との積極的な連携により、プライバシーを重視したパーソナルデータの利活用に向けた戦略立案・ソリューション企画、政策提言、関連ステークホルダーへのコミュニケーションを行うほか、社内体制の整備、専門要員の育成、社員のリテラシー向上も推進する。

AI・IoT時代においては、社会課題解決に向けて、より質の高いデータの獲得が不可欠となっており、特にパーソナルデータの利活用は、スマートシティ、ヘルスケア、金融、観光、教育などのさまざまな領域において、新サービスやイノベーションの創出を通じた市場の拡大が期待されている。しかし、データの利活用には、プライバシーへの配慮、倫理や受容性に鑑みた活用原則・法制度への対応など、さまざまな課題がある。NECはこれらを背景に、データの適切な利活用に関する戦略を立案・推進する体制を強化。これにより、官民データ活用推進基本法にも掲げられた、個人が関与するデータ利活用の仕組みやプライバシーなどを重視したデータ利活用に関するガイドラインの策定、関連ソリューションの企画を行う。