ストラタシス・ジャパンは、メーカーボット製 3Dプリンタ向けMakerBot Printソフトウェアの新機能「MinFill」をリリースした。

従来のインフィルによる造形モデル(右)と、 MinFill機能を使って造形されたモデル(左)。外観を損なうことなく、造形時間とコストを約30%削減することができる。

「MinFill」は、より短時間かつより少ない材料で、アイデアからモデルを造形することを可能にするMakerBot Printソフトウェアの新機能。積層造形により作られるほとんどの物体には、内部の支えとなる構造(インフィル)が必要となるが、物体内のインフィル使用量が増えるほど、物体の造形に要する時間が長くなる。現在の造形準備ソフトウェアでは、物体に要求する強度に応じてインフィルの量や比率をユーザーが調整することも可能だが、通常はインフィルが不要な部分も含め物体全体にインフィルが造形されてしまう。反復的な使用や衝撃に対する耐性が不要な造形の場合は、同機能を使用することでインフィルをより効率化し、造形に要する時間とフィラメント使用量を削減することができる。

造形スピードの比較

同機能は、高度なアルゴリズムを使用して自動的に3次元モデルを解析し、インフィルを必要とする位置を判断。モデル全体に均一なインフィルを使用するのでなく、狭い部分を起点として支えが必要な部分に分岐していく支柱や、壁面に取り付けられた天面を支えるサポート材、きわめて低密度のインフィルなど、可能な範囲で必要最小限のサポート材のみを物体内に造形するという。メーカーボット(MakerBot)社による試験では、同機能により平均で造形時間とフィラメント使用量を最大30%削減でき、造形物の内部容積が大きいほど、時間の削減率が大きくなる。例えば、球体のように内部容積がきわめて大きいモデルでは、造形時間をより多く短縮することができるという。また、同機能では、作業を反復する間の遅延時間も短く抑えることができるため、設計工程をさらにスピードアップすることができ、初期段階でのコンセプトモデルの製作や形状の検討のような造形スピードが重視される場合には特に効果的だということだ。

なお、対象機種は、MakerBot Replicator+, Replicator(第5世代)およびReplicator Z18の2機種となっている。詳しい情報については、メーカーボットWebサイトを参照。