Microsoftは3月28日(以下すべて現地時間)、Office 365(2016)の月例更新を公式ブログで発表した。今月のアップデートでは「Microsoft Excel」に共同編集機能が加わっている。デスクトップ版のみならずオンライン版やAndroid/iOS/Windows 10 Mobileで利用可能。同社によればmacOS版のExcelにも共同編集機能を追加する予定だ。

他のユーザーがシート内で編集している内容がリアルタイムで確認できる(公式ブログより抜粋)

上図では、実際に共同編集中の相手がセルの内容を編集し、その結果がリアルタイムに反映されている。なお、本機能はAndroid/iOS/Windows 10 Mobileに対してはすべてのユーザーが利用できるが、デスクトップ版はOffice Insiderのファーストリングを選択している場合に限られる。また、SharePoint OnlineやOneDrive、OneDrive for Businessに保存されているファイルに対する自動保存機能が、デスクトップ版WordやExcel、PowerPointに加わった。同機能は単独及び共同編集中でも利用できる。

Microsoftは3月20日に同社がアナウンスした「Microsoft Bookings」もアピールした。Office 365 Business Premium利用者向けの予約システムとして、小規模企業と顧客のスケジュール管理ソリューションとして、2016年から米国及びカナダで利用可能だったが、今月から日本を含めた世界中で利用可能になるという。

Office 365 Business Premium向け機能となる「Microsoft Bookings」。将来的にはOffice 365 Enterprise E3/E5向けの提供も予定されている(公式ブログより抜粋)

「Microsoft OneNote」では、手描きで数式を記述した際の使い勝手が向上している。手描きの方程式をグラフ化し、変数を操作して視覚効果の確認や、方程式の解を求めるステップを確認する機能が組み込まれた。また、視覚障がい者のOneNote利用補助を目的にノートブック内の不明確なURLに対して警告を発する「Accessibly Checker」を追加。これらの機能はOffice 365の利用者全員に提供される。「OneNote Online」にも手描き機能と<Draw>タブを追加し、Webブラウザー経由でメモ作成やハイライトマークの追加が可能になった。

新たなOneNoteでは、手描きの方程式から図版や解を求めるステップを確認できる

「Accessibly Checker」は不明確なURLなどに警告を発する

「OneNote Online」でもドロー機能などが利用可能になった

既存データから自動的にフローチャートを作成し、プレゼンテーションなどに活かす「Data Visualizerテンプレート」が、「Microsoft Visio」に追加されている。また、特定の図版や断片を選択してスライドファイルとして書き出す「Slide Snippets」も追加。これらの機能だがData VisualizerテンプレートはOffice Insiderスローリングを選択しているデスクトップ版のVisio。Slide SnippetsはすべてのOffice 365利用者全員のVisio上で利用可能になる。

Visioはプレゼンテーション用スライドの作成がさらに容易になる

この他にも、読み上げ機能による学習ツールが「Word Online」「OneNote Online」で利用可能になり、大半のOffice 365利用者への「Visio Online」の公開などが行われた。なお、Microsoftは2017年5月16日開催予定の「SharePoint Virtual Summit」で、「Microsoft SharePoint」及び「Microsoft OneDrive」の最新ロードマップを発表する。

阿久津良和(Cactus)