シスコシステムズは3月28日、100名以下の中小企業をメインターゲットとした同社の製品ブランド「Cisco Start」において、新しいラインナップを拡充するとともに、新たなファイナルシャルサービスの提供開始を発表した。

新製品として発表したのは、ワイヤレスLANのアクセスポイント「Aironet 1815」シリーズのほか、新サーバの「Cisco UCS Cシリーズ」、および中小企業向けの働き方改革パッケージなど。

「Aironet 1815」シリーズは、11ac wave2に対応した無線LANのアクセスポイントで、スタンダードモデルの「Cisco Start 1815i」、テレワーク向けモデル「Cisco Start 1815t」、壁掛けモデル(ホテル向け)「Cisco Start 1815w」、高出力モデル「Cisco Start1815m」の4モデルをラインナップ。コントローラ機能を持ち、標準で日本語簡単セットアップウィザードも装備している。市場想定価格は、4万円台前半から。

「Aironet 1815」シリーズ

「Aironet 1815」は4機種をラインナップ

新サーバとしては、シスコUCSサーバを中小企業向けに投入。市場想定価格25万円から提供する。

シスコUCSサーバ

シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏は、シスコUCSサーバの提供について、「40Gイーサネットにも対応したデータセンター仕様のサーバだ。ネットークだけを販売しているパートナーはいない。Startブランドに待望のサーバが加わった」と語った。

シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏

「TelePresence」

働き方改革パッケージとして提供するのは、クラウドベースのビデオ会議システムである「Cisco Spark」とビデオカメラの「TelePresence」(SX、DXが対象)をパッケージしたサービスで、月額10,800円から提供する(TelePresence1台+3年間契約のCisco Sparkライセンス1カ月分)。Cisco Sparkは、最大25拠点、同時接続数200まで対応し、別拠点でもTelePresenceを利用する場合は、別途料金が必要だが、外出先からiPhoneで接続する場合は、追加費用なしで利用できる。

働き方改革パッケージ

そのほか、クラウドベースのセキュリティサービスとして、「Cisco Umbrella」を中小企業向けに低価格で5月から提供する。具体的には、100名契約の場合、一人あたり月額350円から提供するという。

「Cisco Umbrella」

高橋氏は、Cisco Startのビジネス状況について、「2017年度は、昨年度の売り上げを半年で達成し、今年度は昨年度の3倍の売り上げを想定している。Cisco Startは、中小企業だけでなく、大手企業にも浸透しており、日本の2桁成長を支えている」と、好調さをアピールした。大手企業においては、ブランチオフィスや子会社など、これまでシスコがターゲットとしてこなかった領域に浸透しているという。

また、販売パートナー数も昨年9月の1757社から、2017年3月には4100社に拡大したという。

これについて同氏は、「パートナーは数だけではなく、ロイヤルパートナーをどれだけ拡大できるかが重要だ」と、シスコ製品をコンスタントに販売していくパートナー育成の必要性を述べ、そのために、パートナー向けのポータルサイトを開設したことを発表するとともに、今後も製品ポートフォリオを拡大していく意向を示した。

同氏は、国内向けの新たな戦略として、「ブランドの強化」「新製品の追加」「シンプル購入」の3つを挙げた。

国内向けの新たな戦略

Cisco Startの新ロゴ

「ブランドの強化では、日本独自のブランドロゴを一新し、グローバル共通の新たなロゴに変更したほか、プロモーションビデオを作成し、顧客の信頼を勝ち得て、ソリューションを展開していくという。

ロゴの3本線はシンプル(簡単)、スマート(高機能)、セキュリティ(安全)の3つのコンセプトを表現しているという。同社は新ロゴをオリンピックスポンサーであることと合わせ、サイネージや新聞等のメディア上でブランド認知キャンペーンを展開していくという。

「シンプル購入」では、新たなファイナンシャルサービスとして、「Cisco Start easylease(イージーリース)」の提供を開始。このサービスでは、これまでのハードウェア、ソフトウェアまた、クラウドサービスと別々に契約が必要だったものを一本化し、手続きの簡略化するほか、申し込みの翌日には与信審査を完了し、翌日契約も可能にする。

「Cisco Start easylease(イージーリース)」