協働ロボット「CORO(コロ)」を開発・製造・販売するライフロボティクスは27日、吉野家の店舗における食器洗浄工程で「CORO」を導入したことを発表した。この取り組みは、経済産業省平成28年度ロボット導入実証事業に採択されたものだ。

COROによる仕分け工程

同事例は、吉野家店舗での食器洗浄工程の一部に「CORO」を導入するもの。工程としては、まず従業員がシンク下に設置された回転ブラシで食器を軽く洗浄し、食器をコンベア上に伏せて置く。置かれた食器はコンベア上を流れ、食器洗浄機で洗浄される。

「CORO」はこの次の段階を担当し、食器洗浄機から出てきた濡れた状態の食器をCORO本体上部に設置されたカメラで撮影、画像処理によって識別して、種類ごとに積み重ねる。ある程度食器が積み重ねられると従業員に通知されるほか、もしも従業員がCOROに接近した場合、センサーで検知し一時停止。人が離れると元の動作へ復帰する。本件の導入店舗および店舗数は非公開とのこと。

外食産業はロボット導入による業務効率化の余地が大きいとされており、吉野家では、1店舗1日あたり約1,300個の食器を洗浄しているという。食器洗浄作業における食器の浸漬(しんせき)・洗浄から洗浄後の格納作業は、従業員の腰や肩への負担、食器の破損による手指の怪我、手荒れなど、従業員にとって大きな負担となっている現状がある。一方で各店舗のバックヤードは狭いため、狭小空間でも協働可能なロボットとして「CORO」が採用された。今回の導入により、両社は作業者の作業負荷の軽減、店舗の生産性向上だけでなく、接客時間増加による顧客満足向上の効果を期待している。

なお、食器洗浄工程への「CORO」導入により、食器洗浄作業の労働時間は2.3時間から1.8時間となるという。今後さらなる取り組みにより、0.5時間と約78%の工数削減を見込む。また、食器洗浄工程以外の作業も自動化することで、更なる生産性向上を目指す。