KDDIとテラドローンは3月24日、4G LTEを使用したドローンの運行管理システムの開発を完了したことを発表した。

同システムは、今後、4G LTEを活用したさまざまなドローンを活用したソリューションを実現する「スマートドローンプラットフォーム」の第一次開発に位置づけられているもので、これを活用することで、KDDIの4G LTEエリアにおいてドローンの自律飛行が可能になるという。

ドローンを用いたサービスにおけるデータの流れのイメージ。今回、2社が開発したシステムはドローンと直接やり取りするフロントエンド部分となる

また、4G LTEネットワークを用いることで、ドローンで取得した映像、測量データを、個別に用意したサーバを介さずにリアルタイムで確認、分析ができるようになるとするほか、4G LTEの電波環境についても、同システム上で把握できるようになり、弱電界時の警告や飛行ルートの変更も可能になるとしている。

なお、同システムは、テラドローン独自のドローン運行管理システム(UTM)「Terra UTM」のコアシステムを用いて開発されたもので、両社では2017年4月より、同システムを用いて、インフラ点検など、さまざまなソリューションを想定した実証実験を実施していく予定とするほか、テラドローンでは、スマートドローンによるトータルソリューションを2017年内に提供を開始する予定としている。

フライトプランの作成イメージ。Web上からマップを呼び出して、任意の飛行ポイントを指定。各点における高度・ポイント間の飛行形態(直角での進行など)が設定可能なほか、ジオケージング(仮想上の檻)を設定することで、風雨・機体トラブルなどの不測の事態が発生し、設定エリア外へ飛行したドローンを、自動的にエリア内/設定地点へ帰還させることも可能

リアルタイム制御のイメージ。設計したフライトプランに基づいた制御命令を4G LTE回線を通して、ドローンに伝えるほか、飛行制御に留まらず、飛行時のリアルタイム映像も「ライブビューエリア」において確認が可能だという。また、緊急時の強制帰還などにも対応しているとしている