京セラクリスタルデバイス、1008サイズ水晶振動子の製品化に成功

京セラクリスタルデバイス(KCD)は3月23日、パッケージサイズ1.0mm×0.8mm(1008サイズ)を実現した水晶振動子「CX1008」の製品化に成功したことを発表した。

1008サイズを実現した水晶振動子「CX1008」の外観 (画像提供:京セラクリスタルデバイス)

IoT時代を迎え、機器に対する小型化のニーズはさまざまなシーンで高まっており、内部の素子についても小型化・高性能化・省電力化などの実現が求められるようになっている。そうした要求の中、±10ppmの精度を提供するタイミングクロックである水晶振動子は小型になると、直列抵抗などの電気特性が劣化するため、性能を維持しながら小型化を実現するのは難しかったという。

水晶振動子の概要と特長。近年はシリコンMEMSを用いた発振器もシェアを伸ばしているが、まだまだ水晶振動子を必要とする分野も多い

同社では従来の1.2mm×1.0mmパッケージ品「CX1210」から、1008サイズへと小型化すると、直列抵抗値(CI)値が30%ほど高くなってしまうことから、従来は搭載基板の見直しが必要であった。しかし、今回、同社は大阪大学の山村和也 准教授との共同研究により、プラズマCVM(Chemical Vaporization Machining:科学的気化加工法)を用いた高精度加工技術と半導体製造プロセスをマッチさせた独自の製造プロセスを構築することで、水晶素子の最適化を実現。これにより、CX1210と同等の電気特性を実現したとする。

CX1008の特長。CI値は60Ω MAX@37.4MHzとなっている

山村 准教授考案のプラズマCVMは、大気圧下でプラズマを発生させ、化学反応により表面を除去することで、平坦性を確保する技術。今回KCDでは、加工前の水晶ウェハの表面高さのバラつきを計測し、その後、プラズマCVMで一定の高さに加工するプロセスを導入。ウェハ表面厚さの加工精度を2nm以内に抑えることに成功したとする。また、これに併せて、従来、機械加工で行っていた製造プロセスの半導体プロセス化への変更を進展。ウェハレベルで厚さのバラつきが少なくなったことから、チップごとの周波数調整工程を省略することが可能となったことから、量産に必要なスループットを実現できたとしている。

プラズマCVM技術の概要と、水晶振動子の製造プロセス。従来は機械加工中心であったが、同社では半導体プロセス化を進めてきており、今回、プラズマCVM技術を導入する独自のプロセスフローを開発することに成功したという

同社では現状、ここまでのサイズが小型化の限界と語る一方で、さらなる小型化への挑戦を今後進めていくとしている。また、車載市場向け低周波数振動子への発展や、産業機器向け高精度発振器などへの開発にもつなげていきたいともしており、さらなる技術開発を進めていく計画である。

なお、1008サイズの水晶振動子は2017年5月よりサンプル出荷を開始し、2017年度中の量産開始を目指すとしている。



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