イボは見栄えがよくないため、乳下やおしり、ワキの下などの目立ちやすい・恥ずかしい部位にできてしまうと、非常に困ってしまう。そもそも、イボはなぜできて、どうして同じ部位に度々出現するのだろうか。セルフ処理の可否をはじめ、知っているようで知らないイボにまつわるエトセトラを、日本医科大学・小川令医師の解説を踏まえて紹介しよう。

気になるイボの秘密を徹底紹介

イボには4つの種類がある

一口にイボと言っても、実は種類が多数ある。小川医師はイボには原因別に以下の4つがあると話す。

■皮膚の老化によるもの
■物理的刺激によるもの
■ウイルスによるもの
■良性・悪性腫瘍によるもの

できる部位や状態によって原因がわかったり、すぐに病院での処置が必要かどうかの判断もできたりするので、イボができたらよく観察をするとよい。

皮膚の老化によるイボ……加齢によって皮膚が弱くなることが原因。物理的刺激に弱くなり、イボができやすくなる。

物理的刺激によるイボ……40代以降にできやすいイボ。そけい部や乳下、おしり、ワキの下などの下着による摩擦で皮膚がこすれるような部位に多くできる。

免疫力の低下が原因のウイルスによるイボ……尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)が代表的。

●尋常性疣贅……最もポピュラーなイボ。ヒトパピローマウイルス(HPV)によるもので、ウイルスに対する免疫力が関係する。子どもから若年成人によく発症する。

●扁平疣贅……平たいイボ。尋常性疣贅と同じくHPVによるものだが、顔や腕にできやすい。性器や子宮頸部にできることもあるが、その場合は尖圭コンジローマや子宮頸がんの原因になるので要注意。

●伝染性軟属腫……いわゆる「みずイボ」のこと。免疫力が弱い幼児から学童に多く発症。プールなどでよくうつる。

良性・悪性腫瘍によるイボ……一見イボに見えても、どんどん大きくなるものは良性または悪性の腫瘍(皮膚がん)の可能性がある。この場合、処置が早いほど完治しやすいため、見つけたらすみやかに皮膚科へ。

イボには複数の種類がある

自分で勝手にいじるのは御法度

デコルテや首すじ、腕などの目立つ場所にできるイボは、肌の露出が増えるこれからの季節は特になんとかしたいもの。だからといってイボをひっぱったり、市販薬などを使ったりして、自分でなんとか処置をするのはNG。

「病院では液体窒素で凍らせたり、麻酔をしてハサミやメスで切除したり、レーザーを照射したりといった治療を行います。イボをむやみに触ったりひっぱったりすると、症状を悪化させる原因に。また、ウイルスが原因の場合は感染してしまうこともあるので、やはり気になったら病院で処置してもらうのが一番です」と小川医師は解説する。

単なる見栄えの悪さだけじゃなく、深刻な病気の可能性もあるため油断は禁物。気になったら医師やクリニックで相談をするのが賢明と言えそうだ。

いざというときにはきちんと診察をしてもらうように

からだエイジング