国土交通省が国内の主要空港に2016年度から順次導入することとしたボディスキャナーに関し、3月26日(予定)から新千歳空港国際線旅客ターミナルビルに、3月29日から羽田空港国際線旅客ターミナルに、それぞれ運用を開始する。

米国・L3 Communications社製「ProVision2」を運用

ボディスキャナーとは、従来の金属探知機やX線検査機とは異なり、ミリ波と呼ばれる電波を使用する先進的な検査機器。国交省は、保安検査の高度化の具体策として保安検査を厳格化しつつ、観光立国推進の観点から旅客流動の円滑化を確保できるよう、国内での試験運用を経て、諸外国において導入が進んでいる先進的なボディスキャナーの導入を決定した。国内ではすでに、関西国際空港や中部国際空港(セントレア)で運用を開始している。

ボディスキャナーで読み取ったデータは、検査モニター画面上に人の形をした模式図で表示され、検査後データは自動的に消去される。また、ミリ波はX線等の放射線とは異なり、照射されても遺伝子を傷つける作用はなく、電波の強さは携帯電話の数百分の1から1万分の1程度と極めて微弱。健康への影響にも配慮されている。

新千歳と羽田に導入するボディスキャナーは、欧米を中心に世界各国で使用されている米国・L3 Communications社製「ProVision2」となる。なお、車いす利用者やペースメーカーなどの医療機器の利用者、検査姿勢がとれない人、6歳未満、身長102cm以下の人は、保安検査員への相談をうながしている。