JR東海は23日、N700A(3次車)の投入や地震対策の推進などを含む2017年度の重点施策と関連設備投資について発表した。9月末からサービス開始予定の新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」の利用促進、超電導リニア技術のブラッシュアップなどにも取り組む。

東海道新幹線を走るN700A。2017年度は3次車7編成が投入される予定

N700A(3次車)の投入は、重点施策の柱のひとつである輸送サービス充実の一環で進められる。2017年度は7編成を投入するとともに、地震ブレーキの停止距離を約5%短縮できる3次車の特徴を既存車両にも反映させる改造工事に着手する。

地震対策の強化としては、脱線防止ガードの敷設箇所を東海道新幹線全線に拡大した新たな方針にもとづき、年度内に敷設区間を約75km拡大。在来線においても、高架橋柱の耐震化や名古屋工場・駅舎などの建替え・耐震補強工事を引き続き進める。その他の土木構造物についても改修などを行う。

安全対策にも力を入れ、N700Aの車内への防犯カメラ増設工事を2017年度中に完了予定。東海道新幹線品川駅・新横浜駅では追加設置するホーム可動柵の使用を開始するとともに、在来線でも実情に適した可動柵の開発を進め、2018年初頭から始まる金山駅での実証試験に向けて取組みを進める。在来線ホームにおける内方線付き点状ブロックの導入も進め、年度内に乗降5,000人以上の駅での設置を完了する。