リコーは3月21日、同社グループで開発したテクノロジーをコアにイノベーションにつながるアプリケーションを提供する「TAMAGO Labs」において、画像にさまざまなデジタルコンテンツを紐付け、画像をキーにしてコンテンツを登録、検索することを可能とするWebアプリケーションを手軽に開発できるソフトウェア開発キット(Software Development Kit:SDK)「RICOH TAMAGO Snapi」の無償提供を開始したことを発表した。

Snapiは、キーワードを検索して当該データを見つけるが如く、あらかじめ作成されたキー画像を検索することで、データベースから当該のデータを表示することを可能とするというもの。例えばパンフレットの表紙や象徴的なページをキー画像として登録しておくことで、ユーザーはそのページをカメラで撮影することで、当該のパンフレットの全データを閲覧することが可能となる。

Snapi」のロゴマークと利用イメージ。スマートフォンに写っている画面はSDKに含まれている操作画面

データベースについては、リコーが各サービスごとに専用のものを用意。具体的には、メールアドレスを専用Webサイト上で登録すると、仮登録状態となるので、登録されたメールアドレスに届くリンクをクリックしてホン登録を実施、登録者専用のデータベースが構築されると同時にサービスを利用するためのID(サービスID)が提供される。実際に利用するためには、アクセス元を特定するためのアプリケーションIDを設定する必要がある(URLを登録すると自動的に作成される)が、このアプリケーションIDは無制限に作成することが可能となっている。 ただし、データベースそのものには容量制限があり、1つのキー画像に紐付けられるデータは最大1MBのものが10個。キー画像そのものは100個登録できる仕様となっている(容量が1MBを超すようなものについては、ユーザー側で別サーバを立ててもらい、そのURLを登録するといったことでカバーが可能)。

また、登録画像の特徴点を抽出しているため、その一致率を変更することであいまい画像検索を行うことも可能。特徴点のしきい値はデフォルト状態では50%だが、0.1%刻みで変更することが可能であり、例えば2つの登録画像を重ねて撮影した場合、両方のデータが表示される、といった使い方も可能となっている。

Snapiの概要。キー画像を先に作成しておき、それを撮影することで、コンテンツ情報を手に入れることなどを可能とする。撮影される画像は、撮影時に使用したものでなくても、同じもの(似たようなもの)であれば問題ない。あいまい画像検索も可能なため、斜めからの撮影などでもキー画像のしきい値次第であるが、識別が可能となっている。これにより、例えばレストランの料理の画像をキー画像にして、グループ内のみで、この料理に向けた評価を実施、それを見る、といったことなどもできるようになる

同社によると、今回、アプリ形態ではなくSDKとして提供した背景として、社内で考えて特定業務向けアプリとして提供するよりも、こうした画像認識やデータベースを活用した技術を使って面白いことをやりたいと思っている人に広く活用したいと考えたため、としており、コミュニケーションツールの1つとして、画像で情報を渡せるというところをポイントにして活用したいと思っている人にぜひ、利用してもらいたいとコメントしている。

なお、実際にアプリとして利用するためには、Webアプリにしろ、モバイルアプリにしろ、開発する必要があるため、同社では今後、簡単なWebアプリの構築ができるサンプルプログラムなども提供を行っていくなど、ユーザーの利便性の向上に向けたサポートも行っていく予定としている。

RICOH TAMAGO Snapi ユーザー登録紹介