大日本印刷(DNP)は、マイナンバーカードを利用して、自治体の各種申請を効率化させる申請書作成支援システムを開発し、船橋市で実証実験を行ったと発表した。

このシステムはマイナンバーカードに記録された情報を読み取るソフトウエアを活用し、マイナンバーカード利用による自治体の各種申請を効率化させる申請書作成支援システム。

申請者はマイナンバーカードをカードリーダにかざし、カード券面の生年月日・有効期限・セキュリティコードを入力すると、カードのICチップに記録されている基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)が各申請書フォームに一括で入力される。

そして、自動入力された申請書は、自治体職員や申請者が取り扱いやすいよう、PDFデータとして提供する。氏名や住所などの基本情報を複数の申請書に一括で反映するため、申請書の作成時における記入漏れや入力ミスの防止につながり、申請者の書類作成負荷や受付窓口職員の内容確認業務の負荷が軽減されるという。

また、同システム上で作成した申請者情報はXMLデータとしてアウトプットすることができ、各自治体の基幹システムとの連携も可能だという。

なお、同社は2017年1月13日~3月10日に、千葉県船橋市役所で本システムを活用した実証実験を実施した。

船橋市では年平均で1カ月あたり約2,800件の転入申請があり、申請者の書類記入負担の軽減や職員の内容確認業務の負荷軽減が課題となっていたという。今回、この課題解決に向け、本システムを活用した実証実験を行った。

実証実験では、マイナンバーカードを保有する転入者の申請業務を対象に、申請者が新しい住所・世帯に関するアンケートに回答した後、マイナンバーカードに記録されている基本4情報を対象の申請書に一括で入力し、申請書の手続きを行ったという。

船橋市の窓口の様子

本実証実験では、従来の申請・受理フローと比べて、申請者の来庁から申請完了までの時間を平均して約15分短縮できたという。特に記入が困難な高齢者や、子供連れの人から評価が高かったほか、職員の業務効率アップなどの効果が確認できたという。