「なぜ一流の俳優は舞台で緊張しないのか?」演技トレーナー・伊藤丈恭氏の初著書『緊張をとる』が好調な売れ行きを続けているという。2015年7月の刊行以来、コンスタントに売れ続け、東京・丸善丸の内本店では2017年3月15日現在で470冊以上を販売している。

『緊張をとる』
著者:伊藤丈恭
発行元:芸術新聞社
定価:1,944円(税込)
発売:2015年7月30日

なぜ一流の俳優は一発勝負の舞台で実力を出し切れるのか?

それは緊張をとるためのエクササイズを行っているからである。本書では演劇理論に裏付けられた、緊張をとるためのエクササイズや思考法を、元大物女優のスナックのママがプレゼンテーションの苦手な若いサラリーマンに教え込むという物語形式で紹介している。

例えば、人前に立つのが苦手な向きは、「緊張していない、緊張していない」と自己暗示をかけようとしがちである。ところが、実際には心(緊張)を直接操作することはできず、無理強いから余計に緊張してしまうのだ。
ではどうすればいいのか? 演劇的アプローチでは、緊張から意識をそらしていく、つまり心を誘導していくことを考える。そのために「楽しみやすくする」「不安をとる」「集中する」「躊躇をとる」「乗りやすくする」など、緊張をとるために必要な状態を目指すのだ。

緊張は俳優の職業病のため、克服する方法が長い時間をかけて探求されてきた。ほとんど一般には知られていない、緊張をとるための演劇的アプローチだが、俳優ばかりか、人前に立つ機会のある一般人にも有効なヒントが多く含まれている。

また、本書では人前に強くなるための「瞬間的緊張」をとる方法のみならず、日常で自分の殻を破るための「慢性的緊張」のとり方にも触れている。

新生活がスタートする時期、本書から快適な新生活を送るヒントが得られるかもしれない。