イーソルは3月14日、シングルコアプロセッサからマルチ/メニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートする商用リアルタイムOS(RTOS)「eMCOS」のPOSIX仕様準拠プロファイル「eMCOS POSIX」をリリースしたことを発表した。

同プロファイルは、POSIX 1003.13 PSE 53に準拠しており、マルチプロセス/マルチスレッド、ローダブルプロセス、共有ライブラリをサポートした本格的なPOSIX仕様準拠RTOS。別スケジューリングクラスタとハードウェアクラスタ間の通信にはPOSIXのプロセス間通信(IPC)を利用することが可能であり、マルチ/メニーコアの分散メモリ環境におけるマルチプロセス環境を提供するため、分散マイクロカーネルベースのPOSIX仕様RTOSの堅牢性を確保しながら、パフォーマンスを最適化する設計を実現することが可能だと同社では説明している。

eMCOSは、eMCOS POSIXに加え、AUTOSAR仕様準拠プロファイル「eMCOS AUTOSAR」をはじめとする各種プロファイルで構成されているため、システムのニーズに合わせてプロファイルを選択し、別のプロセッサで動作するPOSIXアプリケーションとAUTOSARアプリケーションを分散システムとして構築することも可能。対応プロセッサとしても、各種ARMコアをはじめ、KalrayのMPPA-256、ルネサス エレクトロニクスのRH850シリーズにも対応しており、今後これら以外のプロセッサもサポートしていく予定としている。

なお、アプリケーション開発には、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれている同社のRTOSベースシステム開発スイート「eBinder」を利用可能。また同社では、モデルベース並列化ツール「eSOL MBP」や車載システム開発の経験から得た技術や知見をバックにするコンサルティングサービスを組み合わせて提供することで、マルチ/メニーコア環境の車載ソフトウェアの設計・開発を支援していくとしている。

分散型マイクロカーネルアーキテクチャを採用したRTOS「eMCOS」のイメージ