日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は3月14日、同社のソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)製品群として、OTA(Over-The-Air)での信号の収集と解析を目的に開発された4チャンネルの受信専用機種「USRP-2945」、ならびに広帯域ワイヤレス通信の研究用途をターゲットに2×2のMIMOに対応した「USRP-2944」を発表した。

USRP-2945は、2段構成のスーパーヘテロダインアーキテクチャを採用することで、スペクトル解析/監視やシグナルインテリジェンスといったアプリケーションに求められる選択性と感度を実現している。また、4チャンネルの受信機を備えるとともに、これらの複数チャンネル間、および複数のUSRP-2945間で局部発振器を共有することができ、電波の到来方向探知などのアダプティブアレイ信号処理アプリケーションに対して高い費用対効果を提供するという。

一方のUSRP-2944は、2×2のMIMOに対応し、帯域幅は1チャンネル当たり160MHzで、10MHz~6GHzの周波数範囲に対応しているため、LTEやWi-Fiの周波数帯、今後、利用される可能性のある周波数帯を含め、研究/調査の対象となる周波数で動作するSDRとして機能することが可能な製品となっている。

いずれの製品も、同社のシステム開発プラットフォーム「NI LabVIEW」と組み合わせることで、リアルタイム通信システムや高度な受信機を短期間のうちに開発することを可能としているほか、実際に受信した信号に基づいて新たなアルゴリズムを試作し、FPGA用のプログラミングツールを用いてUSRPに内蔵されたFPGAに実装することなども可能な柔軟性を有しているという