カネカと東大、1度に10億個以上のヒトiPS細胞を培養する浮遊培養技術を開発

カネカは3月13日、東京大学の酒井康行 教授と共同で、ヒトiPS細胞を浮遊培養で大量に培養する技術を開発したと発表した。詳細は3月7日より仙台にて開催された「第16回 日本再生医療学会総会」にて発表された。

ヒトiPS細胞は、単細胞状態では浮遊培養で増殖させることができないため、細胞同士を集めて適度な大きなの凝集塊を作製するステップが必要であったが、培養中にかき混ぜる速度が速いと物理的なダメージにより細胞が死んでしまうほか、かき混ぜる速度が速いと、塊が大きくなりすぎて細胞が増殖できない、という課題があった。

今回、研究グループは、ヒトiPS細胞を適度な大きさの凝集塊に抑制する脂質類を発見。これを微量添加した培地に単細胞状態のヒトiPS細胞を混ぜ、穏やかに揺らしながら培養するだけで適度な大きさの凝集塊となり、一般的に用いられている市販の培養容器であれば10億個以上のヒトiPS細胞を培養することができることを確認したという。

この結果、従来の平面培養に比べて、コストは約1/3に、作業時間は約1/10に削減できると研究グループでは説明しているほか、今後のヒトiPS細胞を用いたさまざまな再生医療の実現につながることが期待されるとコメントしている。

凝集塊形成後の顕微鏡写真。左が脂質類を添加しない場合(大きな凝集塊が形成されてしまう)。右が脂質類を添加した場合(適度な大きさの凝集塊が形成される) (画像提供:カネカ)

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