西武鉄道は12日、新型通勤車両40000系の初運行イベント・お披露目イベントを開催した。初運行イベントで池袋~西武球場前間を走行し、西武球場前駅にて40000系2編成の車両撮影会・内覧会を行った。40000系は3月25日から営業運転を開始する。

西武鉄道の新型通勤車両40000系。お披露目イベントでは第1・2編成が並んだ

新型通勤車両40000系は10両固定編成を8編成、計80両を導入する予定。2016年度製作導入編成は2編成あり、ドア間の座席をロングシート・クロスシートに転換できるほか、電源コンセントや「SEIBU FREE Wi-Fi」の導入、「パートナーゾーン」の設置、中吊り広告に代わる広告用デジタルサイネージ「Smile ビジョン」の設置、長距離運行に対応したトイレの設置など、さまざまな特徴を持つ「最も進化した通勤車両」となる。

3月12日の初運行イベントでは、池袋発西武球場前行「池袋発コース」・西武球場前発池袋行「西武球場前発コース」の2コースを用意した。40000系の第1編成を使用した「池袋発コース」の列車は9時20分すぎ、池袋駅1番線ホームに到着。イベント参加者らを乗せて池袋駅を発車した後、途中の東長崎駅・清瀬駅で列車の通過待ちなどを行いながら走行した。西武球場前駅の到着時刻は10時16分とされていた。

イベント参加者や鉄道ファンらが集まる中、「臨時」と表示された40000系が池袋駅に入線

池袋駅を発車した後、東長崎駅で各駅停車と特急列車に抜かれる

イベント参加者に記念品を配布

車内は一部座席を除きクロスシートに

10号車の「パートナーゾーン」。参加者らが多く集まり、子供たちも大型の窓から車窓風景を眺めていた

1号車の車内。前面展望を楽しむ参加者の姿も。フリースペースに車いす固定用ベルトも設置

車内は全車両クロスシート(ロングシートで固定された連結部付近の座席は除く)で、初運行イベントでは子供たちを連れた家族や鉄道ファンらが多く乗車していた様子。車内放送でも40000系が紹介されたほか、参加者へイベント限定40000系オリジナルステンレスカフェボトルと40000系パンフレットが配布された。

運行中、LED照明の調光機能の実演も。通常は白色だが「S-TRAIN」では電球色を使用予定で、白色・電球色ともに減光(消費電力を約半分に低減)も可能だという。

清瀬駅に停車し、列車の通過待ちが行われた

4号車のトイレ。この日は使用不可となっていた

連結部付近のロングシートにも電源コンセント

40000系では調光機能付LED照明を採用。白色・電球色の切替えや減光も可能で、運行中に実演も行われた

西武球場前駅に到着。40000系2編成がそろう

「池袋発コース」の列車は西武球場前駅の4番線ホームに入線。隣の5番線ホームに40000系の第2編成が停車しており、2編成並んで車両撮影会が行われた。内覧会も実施され、車内・車外に40000系を紹介するパネルも。第1編成が停車中のホームにKATOのコーナーも設けられ、40000系のデビューと同じ3月25日に発売される鉄道模型を紹介していた。

40000系のお披露目イベントが行われた西武球場前駅では、デビュー前の新型車両をひと目見ようと多くの来場者でにぎわい、駅前広場に長い列ができていた。車両撮影会・内覧会の他にも、特設販売ブースにて「40000系デビュー記念乗車券」の先行発売(一般発売は3月18日)やグッズ販売が行われたという。

40000系の外観。第1編成は元町・中華街行「S-TRAIN」の表示に

「パートナーゾーン」は窓周りのカラーも他と異なる

内覧会では、一部車両のの車内・車外に40000系を紹介するパネルが置かれた

ロングシートの車内

クロスシートの車内

40000系の鉄道模型を発売するKATOのコーナーも

車両撮影会の様子

40000系のお披露目イベントが行われた西武球場前駅。イベント専用の出入口から駅前広場まで長い列ができていた

新型通勤車両40000系は3月25日から営業運転を開始し、40000系を使用する有料座席指定列車「S-TRAIN」も同じ日にデビューする。3月25日の一番列車「S-TRAIN1号」の発車に合わせ、元町・中華街駅では6時45分頃から出発式を開催。西武秩父駅では9時15分頃から「S-TRAIN1号」の到着歓迎イベントを行う。飯能駅でも元町・中華街行の一番列車「S-TRAIN2号」の発車に合わせ、8時50分頃から出発式が開催される。