富士通など、AI技術で細胞シグナル伝達に関わる生物反応に関する研究を開始

富士通は3月8日、富士通アイルランドとシステム生物学研究機関Systems Biology Ireland(SBI)、データ・アナリティクス研究機関The Insight Centre for Data Analytics(Insight)が、がんを始めとする疾患の原因と関係性が深いとされている、細胞シグナル伝達の化学反応であるリン酸化反応について、AI技術を用いてオープンデータから予測する共同研究を開始したと発表した。

近年、リン酸化反応が、細胞のシグナル伝達過程において重要な働きをしていると考えられるようになってきた。例えば、がんの場合、疾患原因となるリン酸化反応が生じている場合があり、これを阻害する医薬品を開発することで、効果的ながん治療が可能になると期待されている。しかし、がんに関係するリン酸化反応の発見には多くの作業が必要であるため、未解明な部分が多く残されていることが課題となっていた。

一方、富士通研究所と富士通アイルランド、Insightは2015年から、ナレッジグラフと呼ばれるグラフ型の知識ベースとAIによる学習に基づく、知識発見に関する共同研究を進めており、今回、開発中であるナレッジグラフ上のリンク予測技術をリン酸化反応の予測に適用することを目的に、SBIとの新たな共同研究を開始することを決定したという。

なお、共同研究では、富士通アイルランドとInsightが構築中のリン酸化反応の予測を行うプロトタイプをもとに、既知のリン酸化反応や関連するタンパク質間の相互作用を含む大規模なオープンデータによるナレッジグラフを用いて、その検証を進めていくとしているほか、がん以外の疾患に関連するリン酸化反応にも適用可能だとしているほか、ITによる予測に基づく実験により生命におけるリン酸化反応の役割を体系的に分析することで、次世代の創薬の実現に貢献することなども期待できると富士通では説明している。

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