PwCコンサルティングと日本ヒューレット・パッカード(HPE)は3月6日、個人情報を保護する「トークン化セキュリティソリューション」の提供で協業を開始した。同ソリューションでは、個人情報保護に関する現状分析(アセスメント)、個人情報保護の方針策定支援、暗号化製品「HPE Security - Data Security」の提供および導入支援を行う。

今回の協業では、米ヒューレット パッカード エンタープライズが開発したHPE Security - Data Securityを利用し、データを乱数によって関連性の無い文字列に変換する「トークン化」を実現。企業が個人情報を安全に保存し、効率的に利活用する体制の構築を支援するという。HPE Security - Data Securityは、データ中心のセキュリティおよび暗号化ソリューションにより、保存時・使用時・移動時のいずれにおいても重要なデータを保護する。

PwCコンサルティングは、個人情報保護体制の強化を目指す企業に対し、現状分析(アセスメント)や方針策定から、トークン化セキュリティ・ソリューションの導入までを支援する。

グローバルに展開する企業は、日本の改正個人情報保護法に加え、欧州の「EU一般データ保護規則(GDPR)」やアジア各国の個人情報保護関連法令、クレジットカードのデータ・セキュリティ標準「PCI-DSS v3.2」など、多様な法規制への対応が求められている。

特に、EU一般データ保護規則(GDPR)に違反した企業は、高額の制裁金(前年度の全世界年間総売上額の4%、または2000万ユーロのいずれか高い方の金額が上限)を課される恐れがあるという。これらの法規制などは2017年春頃から順次施行が予定のため、準備期間が限られているとしている。

今後、両社は連携し、日本の企業にトークン化セキュリティ・ソリューションを短期間で設計・実装し、各種法規制等に対応できる体制構築を支援する。また、両社の知見を融合させ、個人情報保護に関する複雑な各種法規制などの対応支援に加え、企業が収集した匿名化データの利活用を含めたコンサルティング・サービスおよびソリューションを開発・提供していく方針だ。