Infineon TechnologiesとXMOSは、音声認識を構成する新たなデバイス開発のために提携したことを発表した。

従来のMEMSマイクでは、例えば複数人が話をしている場合、音声ソースの真正さと場所を正確に特定することができず、また生物以外からのノイズの区別は難しかった。今回、両社が提携して開発したデバイスは、Infineonの60GHz(送信2ch、受信4ch)レーダーおよび70dB SNR半導体マイク用センサ、XMOSの音声プロセッサを組み合わせることで、音声ビームフォーミングとレーダーによるターゲットのプレゼンス認識によって遠方の音声のキャプチャを可能とし、そうした課題を解決することを可能としたという。

また、XMOSの音声プロセッサはデジタルマイクからの信号を分析し、各マイクからの角度と距離データを調整することで、レーダーデータから判断された角度にビームを作成。これにより、マイクは対象とするオブジェクトが動いていたり、区別困難なノイズの場合であっても正確にターゲットとすることができるようになり、音声コマンドの明瞭な理解、ならびに確実な実行が可能となり、機器の誤動作をなくし、従来の音声制御システムと比較して優れたユーザーエクスペリエンスを提供することが可能になるとする。

なお、両社では、幅広い音声制御機器でのデジタル音声アシスタンスにおいて、最大限の音声認識と完璧な実行が保証されると説明。対象となるアプリケーションとして、スマートホームとスマートTVおよびセットトップボックス、セキュリティが確保されたキーレスのエントリーシステム、およびその他の音声駆動のコンシューマ機器を挙げている。

InfineonとXMOSが開発したレーダーとMEMSマイク、音声プロセッサの統合した新デバイス