フジテレビの4月改編説明会が6日、都内のホテルで行われ、アイドルグループ・嵐の相葉雅紀が主演を務める月9ドラマ『貴族探偵』(4月17日スタート、毎週月曜21:00~21:54)の羽鳥健一プロデューサーは「命がけで楽しいドラマを作りたい」と決意を示した。

『貴族探偵』ロゴ=フジテレビ提供

このドラマは、麻耶雄嵩氏の本格推理小説『貴族探偵』と、続編の『貴族探偵対女探偵』が原作。相葉演じる、本名不明で貴族を名乗り、探偵を趣味にする青年が、事件関係者の女性と会話を楽しみ、遊びに興じている間に、絶対的な忠誠心を持つ召使いたちが、捜査へ動き出すというストーリーだ。

"月9"で若者向けの連ドラが放送されるようになって30周年という節目の作品で、武井咲、生瀬勝久、井川遥、中山美穂、松重豊、滝藤賢一、仲間由紀恵という豪華共演陣も話題となっている。

これまで月9で『信長協奏曲』、そして相葉主演の『ようこそ、わが家へ』などヒット作を飛ばしてきた羽鳥プロデューサーだが、"命がけ"の真意を「丹精込めて、誠心誠意、一生懸命がんばります」と説明。宮道治朗編成局次長兼編成部長も「並々ならぬ意気込みで、この月曜9時に臨みたいと思います」と力説した。

同局の看板ドラマ枠である月9は、2016年1月クールの『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』以来、視聴率全話平均が1ケタの作品が続き、現在放送中の『突然ですが、明日結婚します』も、2月27日放送の第6話が歴代最低の5.0%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録するなど、苦戦が続いている。

この現状について、宮道氏は「どうしても若年層の視聴者の皆さんが、テレビ以外のメディアに分散してしまっている状況があり、月曜9時は特に(その傾向が)分かりやすい枠。恋愛物を中心としたトライをしてきたので、どうしても若年層は散ってしまう現実がある」と捉えながら、「配信の再生数は今回の作品も新しい記録が出ていますし、物事の本質を見誤らないようにしないといけない」と見解。

一方で、「そうは言っても世帯視聴率も大事」とした上で、次の『貴族探偵』については「キャスティングや内容に関しても、ラブコメ一辺倒ではなく、かなり幅広い視聴者の皆さんに楽しんでいただける作品になると思う。そういった意味では、ここで起死回生を図りたい」と意気込みを示した。

ちなみに、4月スタートの同局系ドラマは、『貴族探偵』の他にも、『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(火曜21:00~、カンテレ制作)、『犯罪症候群 Season 1』(土曜23:40~、東海テレビ・WOWOW共同製作)、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(日曜21:00~)と、"事件解決モノ"系の作品が並んでいるが、宮道氏は「それぞれの作品は全然違うアプローチの作品になっているので、かなり大きく差別化は図れている」と強調した。