コーヒーを飲む際のポーションミルクや砂糖のカロリー量はあなどれないようだ

コーヒーや紅茶による毎日のブレークタイムを楽しみにしている人も多い。中には、仕事中も欠かさずにこれらの飲料を飲んでいる人もいるだろう。その際、ポーションミルクや砂糖を用いている人はちょっと気をつけた方がいいかもしれない。

1月末に「The journal Public Health」に掲載された研究がこのほど、科学に関するさまざまなニュースを紹介する「LiveScience」にて紹介された。テーマは「コーヒーや紅茶に入れるミルクや砂糖のカロリー」。コーヒーなどと一緒に飲むポーションミルクや砂糖には、意外とカロリーがあるようだ。

今回発表された研究によると、米国のコーヒー愛好家の68%が、そして紅茶愛好家の33%がミルクや砂糖などを加えて飲料を飲んでいるという。そして、コーヒーをブラックで楽しむ人と比べ、ミルクや砂糖を入れて飲む人は一日に69kcal分のカロリーを余分に摂取していることが判明。同様に紅茶をストレートで飲まずに砂糖などを加えている人たちは、一日に43kcalも多く摂取しているとのこと。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のローペン・アン助教は「日々の余分なカロリーとしてみれば少ない値かもしれないが、コーヒーや紅茶を飲む人たちの多くは(ミルクや砂糖などが)カロリーや栄養へ及ぼす影響を完全には理解していない可能性があります」と指摘する。

今回の研究では、2001年から2012年にかけて行われた「NHANES(National Health and Nutrition Examination Surveys)」に参加した1万3,000人以上のコーヒー消費者および6,200人以上の紅茶消費者のデータを調査した。NHANESはアメリカ人の健康と食事に関する情報を集めるために定期的に実施されている政府調査である。

研究者らは、コーヒーに入れるものとして砂糖や砂糖の代替品、クリームとその代替品、低脂肪乳などがよく使われることを突き止めた。また、紅茶に入れるものとしては砂糖や砂糖の代替品、ハチミツ、低脂肪乳などが人気だという。

コーヒーにしても紅茶にしても、カロリー増につながる最大の要因は砂糖であり、その次が脂肪だ。コーヒーの場合、一日に余分に摂取する69kcalのうち、60%に相当する42kcalを砂糖から、33%にあたる23kcalを脂肪から得ている。紅茶の場合は、一日に余分に摂取する43kcalのうち平均して85%に当たる37kcalを砂糖から、9%に当たる3.7kcalを脂肪から得ているとのこと。

コーヒーや紅茶に低脂肪乳をプラスすると「カルシウムが摂取できる」と思う人もいるかもしれない。しかし、その摂取量はコーヒー消費者の場合で平均22mg/日、紅茶消費者の場合で平均3mg/日であり、一日のカルシウム推奨摂取量(30~49歳男女共に650mg: 日本人の食事摂取基準<2015年版>より)にはほど遠いのが現実だ。

一日に70kcal多くカロリーを摂取しているとすれば、1週間で約500kcalの摂取カロリー増加につながり、軽視できない数字となる。ポーションミルクや砂糖を使用してコーヒー・紅茶を飲む人は、そこから得られる「追加カロリー」に留意するようにしよう。

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記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。