米YouTubeは2月28日(現地時間)、地上波やケーブルTVサービスで提供されているTV番組をインターネットで配信する有料TVサービス「YouTube TV」を発表した。TV番組のストリーミング配信、クラウドDVR、YouTube Redオリジナルコンテンツなどを含み、メンバーシップ料金は月額35ドル。米国において主要都市から提供を開始し、順次提供地域を拡大する。米国以外への展開は未定。

YouTube TVは、YouTube TVアプリを使ってモバイルデバイス(Android、iOS)やパソコン(Web)からアクセスでき、またChromecastを用いてテレビにもストリーミングできる。配信されるライブTVチャンネルには、CBS、ABC、NBC、Foxが揃っており、MSNBC、Fox News、Disneyチャンネル、ESPNなど、4大ネットワーク系列のケーブル局を含む40チャンネル以上を視聴できる。またオプションで、スポーツや映画、オリジナルプログラムを提供するShowTimeを追加可能。

クラウドDVRは、ライブTVコンテンツをクラウドに録画して、好きな時にストリーミング視聴できるようにするサービスだ。クラウドに保存するが、ユーザーのGoogleアカウントのオンラインストレージは消費しない。録画番組の保存期間は最大9カ月。

YouTube Redオリジナルコンテンツは、YouTubeの有料サービス「YouTube Red」(月額9.99ドル)でアクセスできる映画やドラマ、バラエティ番組など。YouTube TVユーザーも、YouTube TVアプリを使って視聴できるようになる。

メンバーシップ(月額35ドル) は、最大6つのYouTubeアカウントで共有でき、同時に3つのストリーミング再生が可能。メンバーシップを共有するアカウントには、それぞれパーソナルDVRが割り当てられ、おすすめがカスタマイズされる。

米国では、 AT&TのDirecTV Now、Dish NetworkのSling TV、ソニーのPlayStation Vueなど、ライブTVコンテンツをストリーミング配信するサービスが次々に登場している。YouTube TVには、Comedy CentralやMTVなどを持つViacom、CNNやTBSなどを持つTurner Broadcastingが参加していないが、40チャンネル以上で月額35ドル、無制限のクラウドDVRは競争力がある。ただし、AmazonやAppleの参入も噂され、TV視聴の再発明への期待が高まっており、クラウドTVサービスを巡る本格的な競争はまだこれからと見る向きが少なくない。