仏CEA(原子力及び代替エネルギー庁)傘下のLeti (Laboratoire d'electronique des technologies de l'information:電子情報技術研究所)は米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催中のSPIE Advanced Lithography Conference(2月26日~3月2日)にて、EUVリソグラフィやArF液浸リソグラフィの代替技術の最新進捗を9件発表した(招待講演1件、一般講演4件、ポスター4件)。

Letiは、オランダASMLと密接に連携してEUVリソグラフィの実用化にむけてリソースを集中するベルギーの研究機関imecとは対照的にEUVリソグラフィの将来の普及はきわめて不透明として懐疑的な見方を示しており、代替技術の研究開発に力を入れている。欧州では、Letiとimecが半導体ナノテク技術で対抗しているが、お互い補完的な研究開発をしていると見ることもできよう。

Letiのリソグラフィ研究開発プログラムは3つの領域をカバーしている。

  • 「IDEAL」:誘導自己組織化(DSA)リソグラフィ
  • 「IMAGINE」:超並列電子ビームリソグラフィ
  • 「INSPIRATION」:ナノインプリント・リソグラフィ

「Nanoimprint, DSA and Multi-Beam Lithography: Patterning Technologies with New Integration Challenges(ナノインプリント、DSA、マルチビームリソグラフィ:新たなパターニング技術の挑戦)」と題する招待論文の筆頭著者であるStefan Landis氏は、「これらの代替リソグラフィ技術は、高価なうえに将来実用性が不透明なEUVリソグラフィに代わる競争力ある技術を半導体業界に提供できるかもしれないため、研究開発を継続する価値がある。ナノインプリントとマルチビームリソグラフィは、コスト低減という観点で魅力的であり、DSAリソグラフィは、解像度が優れているためマルチパターニングを避けることができ、微細化に伴い高騰するマスクセットのコストを低減できる」と述べている。

なお、STMicroelectronicsおよびArkemaとの共著論文「Advanced Surface Affinity Control for DSA Contact Hole Shrink(DSAによりコンタクトホールをシュリンクするための表面親和性制御法)」では、メタクリル酸メチル樹脂を用いた処理に際して表面の欠陥を減らす手法について述べているという。