日本IBMは2月27日、ブロックチェーン技術の活用と高度なセキュリティーが必要な業務に対応できるブロックチェーン・クラウド・サービス「IBM Blockchain on Bluemix High Security Business Network(ブルーミックス・ハイ・セキュリティー・ビジネス・ネットワーク)」(以下、HSBN)の提供を開始した。利用料金は月額160万円(税別、HSBNおよびIBM Bluemixの基本利用料とサポート料込み)~。

HSBNは、FIPS 140-2 Level 4というハードウェア暗号化技術に準拠する暗号鍵によるデータ管理や「IBM Secure Service Container」と呼ばれるセキュリティを有するメインフレーム・テクノロジーをベースとしたLinux専用エンタープライズ・サーバ「IBM LinuxONE」などの技術で構成されている。

ブロックチェーン・ネットワークの参加者は、これらの技術を採用することで、マルウェアからの攻撃やなりすましなどの内部犯行によるデータ漏えい、改ざん、不正操作を防御できる。また、日本IBMは国内データセンターからHSBNを提供することで、国内での保有が求められている機密データの活用や保管が可能で、データの保管場所やプライバシーに関して高まる業界の課題に対応するとしている。

HSBNは、取引履歴を保存し共有する「分散台帳」、取引ルールを規定する「スマート・コントラクト」、取引をシステム上で確定する「合意形成」、取引の安全性を確保および認証する「暗号技術」を提供する。これにより、特定の業界や団体単位でブロックチェーン・ネットワークを形成し、スマート・コントラクトと分散台帳を共有できるモデルの構築が可能としている。

IBMのブロックチェーンは、ハイパーレジャー・プロジェクトが開発を進めるハイパーレジャー・ファブリックを採用し、顧客が運用するオンプレミス環境向けアプリケーションに加えて、IBM BluemixおよびHSBNのクラウド・サービスとして提供するという。

日本IBMは、顧客のブロックチェーンの実証実験や実用を視野に入れたアプリケーションの短期開発を支援するため、HSBNの提供と合わせて、「IBM Bluemix Garage」を提案する。

IBM Bluemix Garageは、IBM独自の製品開発で確立したIBM Design Thinkingと呼ぶデザイン手法とグローバルの知見を用い、顧客とともに新たな顧客体験を創出するためのワークショップの開催、プロトタイプ開発やユーザーテストによるアイデアの検証、IBM Bluemixを活用する高品質なアプリケーションの短期開発を支援するとしている。