DJIは27日、空撮による点検や検査、データ収集などの産業利用を対象としたエンタープライズ向けプラットフォーム「MATRICE200シリーズ(マトリス200、以下M200シリーズ)」を発表した。

産業利用向けドローンのプラットフォーム「MATRICE200シリーズ(マトリス200、以下M200シリーズ)」が発表された

M200シリーズは、「M200」、「M210」と「M210 RTK」の3タイプ展開。スタンダードタイプの「M200」は、単一下方ジンバルマウントを搭載。「M210」は単一下方ジンバルマウント、デュアル下方ジンバルマウント、単一上方ジンバルの複数のペイロード構造を採用しており、サードパーティ製センサーとアクセサリーに対応する追加の接続ポートを備えるほか、機体上部に取り付けることが可能な追加のセンサーとペイロードに対応する予定だ。「M210 RTK」は、センチメートル単位の高精度なナビゲーションを実現するD-RTKモジュールが使用可能となっている。

M200シリーズの機体は耐候性・防水性を備えた折りたたみ式で、様々な環境下で行われる現場作業に適するという。DJIで初となる上向きジンバルマウントを搭載したことで、橋梁や鉄塔、電波塔などの底面や裏側の点検や検査が可能になった。機体にはコンパス、GPSシステム、デュアル内蔵計測ユニット(IMU)、3つの気圧計を含む20個以上の内蔵センサーを搭載する。

また、同シリーズは、「ZENMUSEX4S」と「ZENMUSEX5S」カメラのほか、「ZENMUSEZ30」や「ZENMUSEXT」カメラに対応し、高性能のズーム撮影や赤外線撮影にも対応。パイロットは、前方向きFPVカメラから、カメラオペレーターはメインカメラの映像をデュアルコントローラーから確認できる。機体の前部、上部、下部の障害物回避センサーと、近くを飛行する有人機の飛行位置情報を受信できるADS-B受信機で安全性を向上した。デュアルバッテリー構成になっているため、カメラを搭載した場合、最大35分の飛行が可能となっている。

なお、M200、M210、 M210 RTKの先行予約は、DJI Enterprise正規代理店にて受け付ける。製品の出荷は2017年Q2(6月頃)を予定、価格は別途アナウンスされるということだ。同社ではM200シリーズの主な用途として、インフラの点検および検査、エネルギー施設の点検および検査、建設現場での測量・地図作成、捜索救援活動を挙げている。