俳優の生田斗真が25日、都内で行われた主演映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)の初日舞台挨拶に、共演の桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督とともに登場した。

左から荻上直子監督、柿原りんか、桐谷健太

同作は『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』などの作品を手掛ける荻上が脚本・監督を務めたオリジナル作品。母親に家出されひとりきりになった少女・トモ(柿原)が、叔父であるマキオ(桐谷)を頼って家を訪れ、同棲している美しいトランスジェンダーの恋人・リンコ(生田)と出会う。

第67回ベルリン国際映画祭のプログラミングディレクターが同作を気に入り、同作はパノラマ部門・ジェネレーション部門と2部門に選ばれての招待となった。また、LGBTをテーマとした優れた作品に贈られるテディ審査員特別賞と、ドイツの一般客の投票による観客賞(2nd Place)をダブル受賞するという快挙を遂げた。

映画祭に参加した生田は「道を歩いていても知らないおじさんとかに『君の映画見たよ! よかったね!』とたくさん声をかけられたりして」と体験を語る。「初めての海外」だったという柿原も「本当にいい経験をさせていただきました」と大人顔負けのスピーチを行った。

舞台挨拶では、テディ賞のトロフィーが登場。かわいらしい熊を形取っているが、台の部分がベルリンの舗道でできており、ずっしりと重いという。荻上監督が「これを武器にして、LGBTが戦おうという意味があると聞きました」と解説し、生田が「いざというときはこれで戦おう」と頷くと、桐谷は「急にバイオレンスな……」と戸惑いを見せた。

また荻上監督は「トランスジェンダーの役はトランスジェンダーの人が演じなきゃいけないみたいなムーブメントが欧米で起こっていて、生田さんが演じていた役はトランスジェンダーが演じなければいけないみたいな意見もあったので、全然期待していなかったんですよね。この賞を」と背景を明かし、「だから本当にびっくりしたし、うれしかったです」と喜びを表した。

生田は改めて「海を越えてドイツ・ベルリンという土地で評価されてうれしかったです」と喜びを語り、「頑張ってれば思いは伝わるんだなと思いました」と感慨深げな様子。「これからやりたいことあるけど、どうしようかなと悩んでる人とか、一歩がっと踏み出してみるのもいいんじゃないかなと、ふと思ってしまいました」としみじみし、「いつまでも愛して欲しいと思いますし、大切に受け取ってくれたら嬉しいです」と観客に頭を下げた。