ANA、ピーチを連結子会社に--出資比率67%、バニラエアと共にLCC事業強化へ

LCCのPeach Aviation(以下、ピーチ)の株主であるANAホールディングスは2月24日、ピーチへの出資比率を現在の38.67%から67%に引き上げることを発表。ピーチは今まで独自の経営方針のもとで展開してきたが、今後はANAホールディングスの連結子会社として事業を進めていくこととなる。

ピーチは現在、国内線14路線・国際線13路線、合計27路線を展開している

現状、ピーチの株主構成は、ANAホールディングスが38.67%、香港の投資会社であるファーストイースタン・インベストメントグループが33.3%、産業革新機構が28.00%。今後はANAホールディングスが67%、ファーストイースタン・インベストメントグループが17.9%、産業革新機構が15.1%となる。

今回の資本構成の変更にあたり、ANAホールディングスは304億円で株式を取得する。なお、同件は譲渡契約に基づくANAホールディングスによる株式取得を4月10日に予定しており、各国当局からの必要な許認可等の取得を条件として実施する。

ANAホールディングスによる株式取得を4月10日に予定

ピーチは2012年3月、関西空港を拠点として運航を開始。2014年7月には那覇空港を関西空港に次ぐ拠点空港とし、2015年8月には羽田空港に就航した。2017年度は仙台空港を拠点空港とし、2018年度には新千歳空港を拠点空港とすることを計画。現在、国内線は14路線を展開している。

2016年12月には、2012年5月に就航した関西=ソウル(仁川)線以来、国際線累計搭乗者数が500万人を突破した。国際線に関しては現在、関西、那覇、羽田の3都市から就航し、2017年2月19日に開設した本邦LCC初のバンコク線となる那覇=タイ(バンコク)線を含めると合計13路線となる。

2013年度には初の単年度黒字化を達成し、2015年度には売り上げ479億円・営業利益61億円を計上、累積損失を解消した。機材に関しては現在、A320を18機保有しており、2016年11月にはA320neo(new engine option)を10機の購入契約を締結。初号機は2019年夏までに受領を予定している。

株主3社は、2017~2020年度をピーチの更なる飛躍のステージと捉え、ピーチの成長をより一層拡大するためにはANAホールディングスへの連結化が最適と判断。ピーチの企業文化やブランドを生かし、その上でANAグループのエアライン事業領域の拡大と連動させ、ピーチの成長を後押ししていく。

ANAホールディングス代表取締役社長の片野坂真哉氏は、「ピーチが国内・海外拠点の拡大をさらに推進し、日本を代表するLCCとして市場を牽引することで、航空需要の創出や地方創生などを通じて、観光産業ひいては日本経済の発展に貢献したいと思います」とコメントしている。

Peach Aviation代表取締役CEOの井上慎一氏

Peach Aviation代表取締役CEOの井上慎一氏は、「当社が掲げている2020年に向けたチャレンジングな計画を着実に実現し、インバウンド4,000万人ならびに地方創生に貢献する上で、これまでの株主3社から更なる強力なサポートをいただけるのは大変ありがたいことです。特に、安定株主となるANAホールディングスとのシナジーにより、ピーチは事業の拡大と発展を一層加速できると確信しております。これにより、ピーチはリーディングLCCとして、アジアのかけ橋となることを目指し、日本のみならずアジアにおいて笑顔をお届けする空飛ぶ電車となります」とコメントしている。

ANAホールディングス内には100%出資しているレジャー・リゾートLCCのバニラエアがある。同社が2016年1月に発表した「2016~2020年度ANAグループ中期経営戦略」では、LCC事業に対しグループ「第4のコア」事業への成長を目指すとしていた。今後、両LCCがどのような展開をしていくのか注目される。

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