JR西日本は23日、「TWILIGHT EXPRESS(トワイライトエクスプレス)瑞風」の報道公開を実施した。午前中に行われた記念式典でラッピングを外した車両外観がお披露目され、午後からの車両撮影では車内の様子も公開(一部車両を除く)された。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の外観。車体色に寝台特急「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継いだ「瑞風グリーン」を採用した

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車両はハイブリッド方式(ディーゼル発電機で発電した電力とバッテリーアシストによるモータ駆動)を採用した87系寝台気動車。近畿車輛と川崎重工により製造され、これまで車体保護の黒いラッピングが施されていた。この日の記念式典にて、「瑞風グリーン」の車体色に金色のエンブレムとラインを配した外観の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が初登場。先頭車は展望デッキと5本のラインからなる流線形のフォルムで、往年のボンネット型を思わせる運転室や丸目のライトも特徴となる。

記念式典の後、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の転線の様子が公開され、続いて1~6号車を中心に車内も公開された。同列車は10両編成で、1・10号車は展望車、5号車はラウンジカー、6号車は食堂車、その他の車両は客室となっている。展望車は空まで望める開放的な空間に。展望デッキに出ることも可能(最後尾の車両のみ)で、風を感じながら沿線の景色を楽しめる。ラウンジカーは木を多用した落ち着いた空間となり、バーカウンターや立礼の茶の卓、ブティックスペースなども設置された。食堂車はオープンキッチンから伝わる車内調理のライブ感とともに、食の匠による料理を楽しめるという。

客室の車両のうち、7号車「ザ・スイート」は世界的にも希少な1両1室の広々としたスペースに。エントランスとプライベートバルコニー、リビング・ダイニング、寝室、バスタブ付バスルームを備える。2・3・8・9号車は「ロイヤルツイン」を1両3室ずつ、4号車はユニバーサル対応「ロイヤルツイン」1室と「ロイヤルシングル」2室を配置した。収納式ベッドを採用して昼間のリビングスペースを確保するとともに、ドア開放時に左右両側を眺望できるレイアウトとしたことで、大型窓から雄大な車窓風景を楽しめる。

2・3号車は「ロイヤルツイン」が3室ずつ。4号車にユニバーサル対応「ロイヤルツイン」も

5号車はラウンジカー。バーカウンターも備える

6号車は食堂車

食堂車はオープンキッチンで車内調理を行う

1・10号車は展望車。空も望める開放的な空間に

先頭部に沿線の風を感じられる展望デッキを設置

デザインコンセプトは「ノスタルジック・モダン」で、インテリアは昭和初期のアールデコ調をベースに沿線の伝統工芸を散りばめた。「ノスタルジック・モダン」のコンセプトは車両形式記号にも反映され、現行のグリーン車「ロ」(旧二等車)・普通車「ハ」(旧三等車)より上のクラスを示す「イ」(旧一等車)を採用。先頭車は展望車を示す「テ」を加え、1号車「キイテ87-2」(M)、10号車「キイテ87-1」(M)となった。

中間車は2号車「キサイネ86-101」(T)、3号車「キサイネ86-301」(T)、4号車「キサイネ86-401」(T)、5号車「キラ86-1」(M)、6号車「キシ86-1」(M)、7号車「キサイネ86-501」(T)、8号車「キサイネ86-201」(T)、9号車「キサイネ86-1」(T)となる。旅客定員は30名、エキストラベッド使用時の最大定員は34名。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は6月17日から運行開始し、大阪駅・京都駅から山陰本線経由で下関駅へ向かう1泊2日の片道タイプ「山陰コース(下り)」が初運行となる。他に1泊2日片道タイプ「山陰コース(上り)」「山陽コース(下り)」「山陽コース(上り)」、2泊3日周遊タイプ「山陽・山陰コース」を設定した。第1期となる2017年6~9月分の申込み受付はすでに終了し、募集件数368件に対し応募件数2,022件、最高倍率は68倍だったとのこと。第2期となる2017年10~11月出発分の申込み受付は4月1日から開始される。