厚生労働省は2月22日、2016年「賃金構造基本統計調査」の結果を発表した。今回は2016年6月分の所定内給与(賞与、残業代等除く)について調査を実施。調査対象は従業員数10人以上の民間事業所、有効回答は4万9,783事業所。

役職者の女性割合が過去最高

一般労働者の賃金(月額平均)は前年から横ばいの30万4,000円。男女別にみた場合、男性は33万5,200円と横ばいだったのに対し、女性は同1.1%増の24万4,600円と統計を開始した2005年以降で最高を更新した。男性の賃金を100とした場合、女性の賃金水準は同1.2ポイント上昇の73.0となり、男女間の賃金格差は過去最少に縮小した。

同省は「役職者(部課長級)に占める女性の割合が過去最高(9.3%)となったことにより女性の賃金が伸び、その結果として男女間賃金格差が縮まった」と分析している。

性別賃金の対前年増減率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

雇用形態別にみると、正社員・正職員の賃金は同0.2%増の32万1,700円、非正規労働者は同3.3%増の21万1,800円。正社員の賃金に対する非正規の賃金水準は同1.9ポイント上昇の65.8と過去最少を更新したものの、依然として10万円以上の開きとなった。

企業規模別にみると、男性は、大企業(常用労働者1,000人以上)が同0.7%減の38万4,800円、中企業(同100人~999人)が同横ばいの32万200円、小企業(同10人~99人)が同0.8%増の29万900円。女性は、大企業が同0.1%増の26万8,700円、中企業が同0.8%増の24万2,300円、小企業が同1.2%増の21万9,100円となった。

短時間労働者(パート)の1時間当たりの賃金は、全体では同1.5%増の1,075円、男性は同0.1%増の1,134円、女性は同2.1%増の1,054円と、いずれも過去最高を更新した。