マイナビは2月23日、「マイナビ転職 2016年中途採用状況調査」を発表した。調査は1月17日~19日、同社が運営する転職情報サイト「マイナビ転職」で2016年1月~12月に中途採用活動実績のある全国の企業600社を対象にインターネットで行われた。

人材の過不足感

2016年の人材の過不足感について聞いたところ、「不足している」という回答が64.1%で、「余剰感がある」(20.8%)の3倍以上となった。業種別でも、すべての業種で「不足している」が半数を超える結果となり、特に「医療・福祉」(72.6%)、「不動産・建設・設備」(71.6%)では7割以上と、強い不足感を示していることが分かった。また従業員数別では、「不足している」が「60人未満」で55.4%、「60~299人」で60.4%、「300人以上」で71.4%となり、従業員規模の大きさに比例して人材不足を実感しているようだ。

中途採用を実施した理由について聞くと、「組織の存続と強化(活性化)」が43.3%で最多。次いで「退職者の増加」(35.7%)、「年齢など人員構成の適正化」(35.5%)、「将来の幹部候補・コア人材の確保」(34.5%)と続いた。「労働時間短縮への対応」は31.8%だったが、昨今話題を集めている「長時間労働」への対策として中途採用を実施する企業は今後も増加することが予想される。

前年(2015年)と比較した中途採用活動の印象は、「厳しかった(前年より+前年並みに)」が75.9%となり、4社に3社が中途採用に苦戦していたことが分かった。厳しかった理由としては、「求職者の質が低かった(66.2%)」が最多に。人材の獲得競争が過熱する反面、採用基準を甘くする企業は少なく、求めるスキルや経験に見合った優秀な人材の採用に苦労したようだ。一方、「楽だった(前年並みに+前年より)」と回答した20.0%の理由では「採用費用を増加した(41.7%)」が最多となった。

2017年の中途採用(経験者・未経験者)の見通しについて聞くと、約半数となる46.5%は「経験者採用・未経験者採用ともに積極的」と回答し、「経験者採用は積極的だが未経験者採用は消極的」(39.5%)が続いた。「経験者採用に積極的」と回答した合計は86.0%となり、2017年も中途採用において高い採用意欲が続くと見られる。