ジェピコ、NEC、富士通、およびYRPユビキタス・ネットワーキング研究所は2月22日、平成28年度総務省事業「都市サービス高度化の実現に向けた共通クラウド基盤構築に関する実証に係る調査請負」において「IoTおもてなしクラウド OPaaS.io(Omotenashi Platform as a Service - Integrated and Open)」を構築し、IoTサービス連携協議会(AIoTS)がその運用を開始したと発表した。

「OPaaS.io」は、言語や食の嗜好など、利用者自身の属性情報とその提供ポリシーを、利用者がWebサービスまたはスマートフォン用アプリを用いて自分で設定できる「VRM(Vendor Relationship Management)」を実現するサービスとなる。

「OPaaS.io」のイメージ

「VRM(Vendor Relationship Management)」のイメージ

登録した情報と交通系ICカードをひもづけると、店舗や訪問先の端末にその交通系ICカードをかざすだけで、その時その場その人に適した「おもてなしサービス」を受けられるという。

「おもてなしサービス」の具体例としては、博物館や美術館に設置された端末で自分の母国語による解説を閲覧できたり、宗教上の禁忌にあたる食材を使わないメニューをレストランで提示されたりといったことがある。

「OPaaS.io」の構築にあたって、NECはパスポート情報や言語情報の伝達など、利用シーンに応じてセキュリティレベルの異なる複数の認証方式を使い分け、属性情報に対する認可管理を行うことで、適切にサービスベンダーへの情報の仲介ができる認証・認可技術を担当した。

富士通は「OPaaS.io」を支える基盤として、OpenStackを採用したクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」を国内データセンターから提供するとともに、ユーザーやサービスベンダーからの要求に応じて属性情報を仲介する機能などのインテグレーションを担当した。

OPaaS.ioでは複数のサービス間でユーザー属性情報を連携するための識別コードとしてucodeを採用している。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、開発したucodeに関する規格をITU-Tの標準化規格「Recommendation H.621」および「H.642」として成立させており、IoT時代のWebサービスやスマートフォン用アプリの構築も多数行っていることから、同プラットフォームの技術的な統括およびOPaaS.ioポータルの構築を担当。