JR西日本は6月17日から運行開始する「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車内に展示する茶道具の品目や名称、作者などについて発表した。京都で数百年にわたり三千家の茶道具を制作している「千家十職」の茶道具が、5号車ラウンジカーを中心に列車内を彩る。

「黒地花丸絵 水指」(瑞風オリジナル)

「真形釜」(瑞風オリジナル)

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のインテリアについては、浦一也氏によるデザイン監修を受けつつ、沿線の伝統工芸を散りばめながらどことなく懐かしさの感じられる「ノスタルジック・モダン」をデザインコンセプトとして検討が進められてきた。

今回、土風炉・焼物師の「永楽家」、茶碗師の「楽家」、表具師の「奥村家」など、茶道具を作る10の家からそれぞれ作品を採用すると発表。このうち、永楽家当代永楽善五郎作の「黒地花丸絵 水指」、奥村家当代奥村吉兵衛作の「紙釜敷」、釜師の大西家当代大西清右衛門作の「真形釜」、袋師の土田家当代土田友湖作の「古袱紗、出袱紗」の4点は「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のために作られたオリジナル作品となる。

その他、いずれも江戸時代の職人である六代目楽吉左衛門(左入)の「黒楽茶碗 銘『住之江』」、九代目楽吉左衛門(了入)作の「赤黒一双茶碗」も展示される。これらの茶道具のほとんどは5号車ラウンジカーに展示されるが、「赤黒一双茶碗」は7号車スイート客車デッキに置かれる。また、5号車に展示するのとは別に28種類の展示用古袱紗が土田家によって用意され、各客室に展示されるという。