東工大、次期スパコン「TSUBAME3.0」を発表 - 2017年夏の完成を予定

2017年2月17日に東京工業大学(東工大)は、次期スーパーコンピュータ(スパコン)「TSUBAME3.0」を発表した。発表前日に競争入札の開札があり、SGI(現在は、HPEの子会社)の受注が決定したことを受けての発表である。

TSUBAME3.0について説明する松岡聡 教授

TSUBAME3.0はSGIの「ICE XAサーバ」を使うスパコンで、倍精度浮動小数点のピーク演算性能は12.15PFlopsとなっている。各計算ノードは、IntelのXeon E5-2680 CPUを2個と、NVIDIAのP100 GPUを4個搭載しており、15台のラックに合計540ノードを集積している。

この性能は東大-筑波大のスパコン「Oakforest PACS」の24.9PFlopsの半分程度であるが、京コンピュータの11.3PFlopsを上回る。ただし、Top500のランキングを行うLINPACKでは、京コンピュータの方がピーク比率が高いので、京コンピュータを超えるのは難しいと思われる。

TSUBAME3.0は従来の科学技術計算に加えて、ビッグデータ処理やマシンラーニングなどの新しい分野の計算での使用も重視しており、マシンラーニングなどで使われる半精度での計算性能は47.2PFlopsという京コンピュータと比べて格段に高い性能を持つ。

そして、ストレージはData Direct Networksの「ES 14K」を3台使用し、15.9PBの容量を持つ。ネットワークはIntelのOmniPathを使用して、フルバイセクションのファットツリーを構成している。

TSUBAME3.0スパコンの外観。ハチの巣のような模様の付いた部分が1つのラックで、裏側にも3ラックある。裏側の中央付近にES14Kが3ラック。その他はネットワークなどのラックである (画像提供:日本SGI)

発熱の大きいCPUとGPUは直接水冷で、その他の部品は空冷している。しかし、ハチの巣のラックの間の黒い部分はクーリングラックで、その他の部品を冷却して温まった空気を水冷している。

冷却には32℃の温水を使っており、CPUとGPUを冷却して40℃程度になった水をクーリングタワーで冷却して循環させている。この冷却法では、コンプレッサなどを必要とせず、消費電力が小さく、電子機器の消費電力の3.3%の電力で冷却ができるという。通常のデータセンタでは、電子機器の消費電力と同じとか2倍の電力を冷却のために使っているのと比べると、大幅に電力効率が高い冷却となっている。

TSUBAME3.0は、床荷重が800kg/m2程度となるので、スパコンルームは床から工事を行っており、完成は2017年3月末の予定である。そして4月から機器の搬入が始まり、7月末に完成の予定である。6月初めにフランクフルトで開催されるISC 2017で発表されるTop500、Green500に実測結果を提出することができるかどうかは微妙なところで、松岡教授は、頑張るがどうなるか分からないとしている。

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