JR東日本秋田支社は17日、秋田車両センター所属の交直流特急形寝台電車583系の引退を発表した。4月2・8日に583系の団体専用列車が設定され、4月8日の秋田~弘前間が最終運行となる。4月9日に秋田駅で車両展示会も行われる。

JR東日本秋田車両センター所属の583系。4月8日にラストランを迎える

583系は国鉄時代にデビューし、寝台特急から昼行特急まで幅広く活躍した車両。東北地方では、1968(昭和43)年から上野~青森間(東北本線または常磐線経由)の夜行列車「はくつる」「ゆうづる」、昼行列車「はつかり」「みちのく」などで運用されたという。近年は急行「きたぐに」を最後に定期運用がなくなり、運行列車の減少による廃車も進んだことで、現在残る編成は秋田車両センター所属の6両編成(国鉄色)のみに。「わくわくドリーム号」をはじめ、団体臨時列車用として活躍を続けてきた。

この最後の編成が引退するにあたり、「国鉄時代から走り続けた『583系』が優秀を飾る姿を、多くの皆さんにご覧いただけるよう、団体専用列車として最終運行を企画しました」と秋田支社。団体旅行商品は4月2日出発「ありがとう583系 増田の蔵と日帰り温泉の旅」と4月8日出発「さようなら583系 日帰りの旅(秋田発)」「さようなら583系 日帰りの旅(弘前発)」の計3コース。2月20日14時から、秋田県内のびゅうプラザとびゅうプラザ弘前駅、びゅう予約センターなどで予約受付を開始する。

4月2日の往路は秋田駅9時39分発・湯沢駅11時5分着。ツアー参加者は温泉での昼食や増田の蔵めぐりを楽しむ。復路は十文字駅16時19分発・秋田駅17時35分着で運転される。4月8日のツアーは秋田発・弘前発それぞれ秋田~弘前間を往復する行程で、秋田発の往路は秋田駅7時21分発・弘前駅9時27分着、弘前発の往路は弘前駅10時0分発・秋田駅12時30分着、弘前発の復路は秋田駅14時50分発・弘前駅17時7分着、秋田発の復路は弘前駅17時35分発・秋田駅20時23分着となっている。

583系の最終運行となる4月8日のツアーでは、秋田発・弘前発ともにオリジナル記念乗車証とオリジナル掛け紙の弁当が付く。「時代の移り変わりを、お客さまや社員と走り抜け、多くの人の思い出に残っている『583系』。最終運行の乗り心地を存分にお楽しみください」(秋田支社)とのこと。なお、4月8日5時30分から「ありがとう583系」ラストラン記念入場券が秋田駅・弘前駅で販売(各駅1,000セット。発売期間は4月8~30日)される。

昨年4月末には秋田駅から大阪駅へ団体臨時列車が運行された後、「ニコニコ超会議号2016」として大阪駅から海浜幕張駅まで運行された

最終運行の翌日、4月9日は9時30分頃から11時30分頃まで、秋田駅2番線にて583系の車両展示会を開催する。ホームから583系の外観を見られるほか、完全予約制による車内見学も予定しており、応募方法などの詳細は後日発表される。車両展示に合わせ、583系にちなんだグッズ(行先標)の販売も予定されている。