富士通は2月17日、ミャンマーのタウングー(Taungoo)地方において、灌漑用水と河川の水位情報を簡易に管理できる2種類の実証実験を2016年下旬~2017年1月31日にかけて行い、実証の協力機関であるミャンマー農業畜産灌漑省の灌漑局に対して実証結果を報告したと発表した。

灌漑用水位の情報入力の様子

灌漑用水管理の実証では、2016年12月25日~2017年1月31日の期間で、カバウン灌漑施設内の12カ所の水位計測ポイントにて9名の現場協力者による水位計測、および5カ所の農地にて5名の農家による1日約3回の用水観測を行った。専用のスマートフォンアプリケーションに灌漑施設内や農地の水位情報を入力することで、灌漑用水の配水状況を灌漑局がリアルタイムに把握することの有効性を検証した。

また、河川情報管理の実証では、2016年11月22日~2017年1月31日の期間で、シッタン川沿いの2カ所の水位計測ポイントにて2名の現場協力者による1日約3回の水位計測を実施した。専用のスマートフォンアプリケーションに、河川の水位情報を入力することで、河川の状況を灌漑局がリアルタイムに把握することの有効性を検証。

今回の実証実験を経て、灌漑局の職員以外の農家や現場協力者によりスマートフォンアプリケーションに入力することで、入力時間やGPSなどの情報とともに、収集された情報が精度的に有効なものであることや、灌漑局がデータをリアルタイムに把握できること、コストがかからず使い方がシンプルなため一般住民にも利用可能なシステムであることなどを確認した。

今後、同社は情報収集範囲の拡大、および収集された情報を元にした灌漑用水の効率的な配水や河川の氾濫予測の実現に向け、灌漑局と本システムの活用を協議していく方針だ。