欧米のセレブたちのスーパーフードやオーガニックが根づいているおしゃれなライフスタイルがメディアに紹介されてからというもの、日本人の食に対する意識は確実に変化した。健康的な食生活はもはやオタクの趣味ではなく、美人の基盤という認識が日本人にもすっかり定着している。

海外セレブにあこがれてスーパーフードに興味を持つ人も少なくない

スーパーフード人気が年々加熱していくのも、そんな理由からだろう。アサイーやココナッツオイルはもはやポピュラーな食材となり、2016年はタイガーナッツやアマランサスといった、ややマニアックなものが注目を集めるまでとなった。

そうなると当然気になるのが「2017年は何が流行するのか」。そこで今回は、スーパーフードクリエーター・WOONINさんに2017年注目のスーパーフードを厳選してもらった。

グラスフェッドバター

まずはグラスフェッドバターだ。これは放し飼いで牧草を食べて育った健康な牛のミルクから作られた、抗生物質やホルモン剤の投与のないクリーンで栄養満点のバターのことだ。

グラスフェッドバターは放し飼いで牧草を食べて育った健康な牛のミルクから作られている

「頭の回転、思考力、記憶など脳機能の向上や抗炎症作用が期待できます。一般のバターに比べて抗酸化物質、ビタミンA、D、K、カロテンが豊富。さらに含有される酪酸塩は善玉菌を増やし、腸内環境を健やかに整えてくれます」

一日約30～50g摂取すると手応えを実感しやすいとか。疲れやすい人や冷え性の人、食欲コントロールが苦手な人におすすめだ。また、頭がぼんやりしたりイライラしがちだったりするときにもよいという。

「グラスフェッドバターとハンドドリップしたコーヒーをミキサーで混ぜてバターコーヒーにしたり、普通のバターのように野菜炒めやトーストにつけたりしてもOK。どんなお料理にも取り入れやすいので、習慣にしやすいのも魅力です」

MSM

MSM(メチルサルフォニルメタン)は、私たちの皮膚や髪、爪、軟骨など身体の中にも存在している有機イオウ化合物のこと。一見ケミカルなイメージがあるが、自然界に存在する天然のミネラル源である。

MSM摂取で艶のある健康な髪や爪の維持が期待できる

「人間に必要なミネラル成分のひとつであるイオウを凝縮して摂取できるので、細胞レベルのデトックスから肌、筋肉、皮膚のハリと弾力のアップ、艶のある健康な髪や爪の維持も期待できます。筋肉痛や関節痛を緩和したいときにもお役立ち! 」

サプリメントやタブレットで摂取できる手軽さもMSMの特徴と言える。

「毎朝、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるので、レモン果汁を混ぜた水と一緒に取り入れる習慣をつけると、内側からキレイパワーがアップ。スキンケアやヘアケアの手応えが変わりますよ」

菊芋

菊芋は菊のような黄色い花と、しょうがのような塊を根につけるキク科の植物。世界中に生育している植物の中で、最も多くの水溶性食物繊維・イヌリンを含んでいるとされる。全身の健康と密接に関わる腸内フローラを向上させる善玉菌のエサになる「プレバイオティクス」食材だ。

菊芋は水溶性食物繊維・イヌリンが豊富

「主成分の水溶性食物繊維・イヌリンは善玉菌のエサになるので、腸内環境改善、免疫力アップ、便通改善などうれしい作用が期待できます。また、抗酸化物質や亜鉛を豊富に含むので、エイジングケアや女性ホルモン分泌のサポートにも」とWOONINさんは解説する。

主成分のイヌリンは血糖値の上昇を抑えるため、肥満予防にもよい。

「乾燥菊芋はそのままチップスとしておやつ代わりに。まるでしょうがのような姿をしている生の菊芋はクセがなく、サクサクとした食感で甘味があるので、サラダに加えていただくなど気軽に活用できます」

WOONINさんは、米国では良質な脂肪や油の栄養サイエンスの研究が進み、グッドファット(良質な脂質)がいかに人間にとって必要でパワフルな栄養源であるかが証明されていると指摘する。

「『グラスフェッド(牧草飼育)』『放牧』『ノンケミカル』『NO-GMO』というワードがつく良質な動物性食材は注目株。積極的に摂りいれることをおすすめします。また、菊芋のほかにも、国内産の野菜や果物にはまだまだ底知れないパワーが秘められています。身近な食材から新たなスーパーフードが発掘される日も近いかもしれませんね」

からだエイジング