小型ロケット「SS520」4号機の打ち上げ失敗原因について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、機体の電線がショートしたためである可能性が高いとする調査結果をまとめた。JAXAが13日発表した。

写真 打ち上げ前の「SS520」4号機(JAXA提供)

「SS520」4号機は長さ9.54メートル、重さ2.6トンの固体燃料ロケット。人工衛星を搭載するロケットとしては世界最小。東京大学の超小型衛星を搭載して1月15日に鹿児島県から打ち上げられたが、約20秒後にデータが届かなくなったためにJAXAは、安全を優先して強制的に海に落下させた。

JAXAによると、原因解析の結果、機体の通信装置の電線がショートして電源を失いデータ送信ができなくなった可能性が高いことなどが分かった。電線がなぜショートしたかについては、振動による摩擦や電線周辺の温度上昇などによって電線の被覆がはがれ、電線と金属部が接触したためと推定できるという。

「SS520」4号機は民生用部品が多く使用されたのも特徴だった。JAXAは13日夜の記者会見で、事故原因と民生部品使用との関係はないと考えている、とした。開発の過程で機体を軽量化しつつ3キロの衛星を打ち上げるためにさまざまな工夫があった。軽量化と電線ショートとの直接の関係はないようだとしつつ今後さらに詳しく調べるという。

関連記事

「『こうのとり』から6超小型衛星を放出」

「イプシロン2号機を20日夜打ち上げ」