産業技術総合研究所(産総研)および未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)組合員である美濃窯業は2月13日、最高使用温度1450℃、圧縮強度11.0MPa、熱伝導率0.25W/m・Kの特性を有した、RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)を含まないファイバーレス断熱材作製技術の開発に成功し、従来から工業炉用耐火断熱材として用いられてきた耐火断熱れんがと同程度の強度を維持したまま熱伝導率を低減することを実現したと発表した。

今回開発された断熱材料は従来の耐火断熱れんがと同程度の強度を持つため、産業/工業炉の内張り材料として最内層に適用でき、放熱による廃棄熱量を削減できるだけでなく、炉材の施工重量を低減できるため、蓄熱による廃棄熱量を削減することができるようになるという。実際に、開発した技術をもとに作製した断熱材を小型電気炉に施工し使用電力量を測定したところ、従来の耐火断熱れんがを施工した場合と比べ消費電力量を約38%削減できることがわかったとする。

なお、研究グループでは今後、断熱材料のさらなる性能向上(目標値:最高使用温度1500℃以上、熱伝導率0.2W/m・K、圧縮強度20MPa)と量産化技術の開発を進めることで、未利用熱の有効活用技術の実現を目指すとしている。

左が新たに開発されたファイバーレス高強度高断熱性材料の外観、右が電子顕微鏡画像 (出所:NEDO Webサイト)