お笑いコンビのくりぃむしちゅー、タカアンドトシ、お笑い芸人の柳原可奈子が出演するフジテレビ系バラエティ番組『今夜はナゾトレ』(毎週火曜19:00~19:57)で出題される暗号謎解きクイズ「東大ナゾトレ」が話題を集めている。

このクイズは、「脱出ゲーム」のプロデュースなども行う東京大学の謎解き制作集団「AnotherVision」が提供しているもの。今回、イケメン東大生としても注目を浴びる同集団の代表で、工学部2年生の松丸亮吾氏(21歳)が取材に応じた。

「AnotherVision」代表の松丸亮吾氏

「東大ナゾトレ」は、知識の必要ないの問題で、頭の柔らかい人なら小学生でも正解でき、頭が硬ければ大人でも解けないというのが特徴。例えば…

「Aえる」「Bきもの」「Cまれ」「Dごみ」と並ぶ暗号…
それでは「ABゆC」は何と読む?

という問題。これは、A~Dに「生」という漢字が入り、それぞれの「生」の読みを「ABゆC」に当てはめると、「はいゆう」になるという具合だ。

「AnotherVision」の『ナゾトレ』制作メンバーは24人ほどいるそうだが、毎回、期間内に謎を作り、上がってきた何十問から面白い3問だけをピックアップし、そこから24人でさらなる改善ができないかを検証したり、ヒントの出し方を考えたりしているという。松丸氏は「最高の状態で出題するために、ギリギリまでノンストップでブラッシュアップすることもあります。気づくと朝までやっていたり…」と、知られざる苦労を明かす。

「AnotherVision」のメンバー

謎の作り方はさまざまだそうだが、「あるメンバーは、使いたいアイデア(暗号や法則や解法)を見つけて、そのアイデアを生かせる言葉が実際に世の中にあるか探し出して、実証する」という。

松丸氏も「どういうことを仕掛けたら楽しいかをまず考えて、そこからいきなり問題と答えを直結して出すのではなく、みんなに気付かせるためにはどういう伏線を張ったら面白いか、どういうことを仕込んだらより面白くなるかを考えて作っています」と言い、複雑な要素を絡めることが、クセになる中毒性の背景にあるようだ。どのメンバーもネタ帳を持ち歩き、松丸氏も「スマホにメモしていて数百個ぐらい貯まっています」と話す。

さらに、「必ず初めて見る問題を作るようにしていて、ベタ問(=ベタな問題)は出さないようにしています」と、こだわりも。一方で、「逆に、ベタ問に見せかけて実は違う、という問題を作ることはありますね。固定観念ができるほどそれを利用して裏切ったりできるので」と、ひっかけ問題を仕込むこともあるそうだ。

そんな「AnotherVision」だが、メンバーは100人という大規模なサークルで、問題制作だけでなく、謎解きに挑戦しに行くこともあるのだそう。そうした活動から、企業から声をかけられることも多くなってきたそうで、『今夜もナゾトレ』以外にも、献血キャンペーン用の謎解き制作や、東京・下北沢の謎解きカフェ用にイベントを作ったりと、活躍の場が広がっている。

しかし、彼らの本業は学生であり、「試験シーズンは大変です(笑)」と苦笑い。それでも、「自分が作った謎を人に面白いって言ってもらえるのって、悪い言い方すると承認欲求が満たされるんです(笑)」と、出題側もクセになっているようだ。

同番組は、昨年11月8日にスタートして以来、視聴率もジワジワ伸びてきており、前回の1月13日の放送は9.2%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)をマーク。あす14日(19:00~20:54)は「東大生&京大生が出題! ひらめきクイズ2時間SP」と題し、ゲストで、宇治原史規(ロザン)、北村晴男、紺野美沙子、佐野ひなこ、武井壮、久本雅美、藤本淳史(田畑藤本)、道尾秀介が参戦する。

問題は、"パズル界の星野源"こと京大・東田大志による「京大・東田式漢字ナゾトレ」、一流マジシャン集団が制作するCG無しの間違い探しゲーム「ナゾトレフェイク7」などが登場。「AnotherVision」からは、以下のクイズが出題される。