ソフトバンクとARMが描く、ロボットとIoTの未来 - Pepper World 2017

ソフトバンクロボティクスは、「Pepper World 2017」において、「IoTとRobotの未来について」というテーマで基調講演を行った。

テーマは、IoTとRobotの未来について

登壇したのは、ソフトバンクロボティクス事業推進本部長である吉田健一氏と、ARMホールディングス Vice Presidentのイアン・ファーガソン氏。ARMは2016年にソフトバンクに買収されたイギリスの企業で、主な事業は半導体の研究・開発。ARM製品は、スマートフォンを始めとするさまざまな機器で利用されている。ロボットにも使われており、ファーガソン氏はIoTとロボットの将来を語るのに最もふさわしい人物のひとりといえるだろう。

ソフトバンクロボティクス事業推進本部長 吉田健一氏

ARM Vice President イアン・ファーガソン氏

基調講演では、AIとSmart RobotsとIoTの未来について語られた

イアン氏は、ARMが展開するテクノロジーのエンドポイントはIoTであるとしている。またIoTについて、現在重要なのは「システム オブ システム」(システム同士が繋がること)であると話す。

IoTによって生まれるのがビッグデータだが、それをすべてクラウドにあげるのは不可能であり、精査する必要がある。データの意味付けが必要で、それがスマートホーム、スマートビルとして活用されていく。

わかりやすいのが「効率化」に活かす道だろう。工場では残りの在庫数や機会が故障するタイミングを予測できたり、街中では駐車場をやみくもに探さずにすみ、場合によっては信号の動きも変えられるという。

ヘルスケアも重要な分野で、体に付けたセンサーから情報を得ることで、適切な処置ができるようになる。つまるところ、情報を多く得ることと、その中から必要な情報を選び出し、それを活かしきる、それがIoTだということだ。

ARMは多くのデバイスの研究・開発をしており、高いシェアを誇る

バンドエイドのように体に貼り付けるセンサーなどを使い、体からあらゆる情報を取り出すことができる

吉田氏は、ロボットがAIとIoTに命を吹き込むというテーマで語った。

たとえば、「何かを知らせる手段」として、パンフレットやデジタルサイネージを使うことよりも、人間が直接対話して勧める方が効果が高いという。ロボットは人間ほどではないものの、パンフレットやサイネージに比べて結果が出せる。つまりロボットはエンゲージメントが高いということだ。IoTは情報を知らせるだけでなく、どう体感してもらうかの時代に入っており、ロボットは人とIoTとを繋げる役目をするという。

確かに、パンフレットやデジタルサイネージにしても、そこに書かれている、映っている内容に興味がなければほとんど見られることはない。それに対して、興味がないものでも人に勧められれば話を聞くだけ聞いてみたり、反応が変わってくる。ロボットの役割もそれに近く、IoTをより効果的に利用するには、インタフェースとしてロボットを活用する必要がある。

パンフレットやデジタルサイネージでは、ほとんど見向きをされない商材でも、人が勧めると関心を持つこともある。ロボットは人間に近いエンゲージメントを見せる

Pepperがドローンを操る様子。他のデバイスで操作するとプログラミングされただけと判断されがちだが、Pepperを使うとあたかもPepper自らが操作しているように感じられる

イアン氏は吉田氏とのディスカッションの中で、近々だと効率化が成果になるという。Amazonでは適切なタイミングで商品を送れるようロボットが管理しているが、ソフトバンクでいうと、Pepperが店員として働くはま寿司も効率化を年頭に置いた取り組みだ。

ソフトバンクロボティクスとしては、IoTの認証や認定を行い、「試しに作ってみる」という環境を整えていく。現在は、クラウドロボティクスSDKとクラウドロボティクスAPIを6月末まで公開しており、さらにテクニカルワークショップなどを行っていく予定だ。

デバイス同士を繋げ、情報を得て、それを精査する。多くの企業や団体に使ってもらえるようにSDKやAPIを無料で公開し、サポートも行う予定だ

これまではIoTと言っても、なかなか一般の人には馴染みが薄かったわけだが、PepperなどロボットがIoTのインタフェースとして利用されるようになれば、自然とIoTの恩恵を受けられるようになるだろう。それは、PCで打ち込み音楽を奏でるデスクトップミュージックが、初音ミクというインタフェースが登場したことにより、多くの人に受け入れられるようになったのと同じことかもしれない、と感じた。

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