セイコーエプソンは2月2日、オフィス向けインクジェット複合機/プリンタ「WorkForce Enterprise」として、最高100枚/分の印刷を実現する「LX-10000Fシリーズ」および同75枚/分の印刷を実現する「LX-7000Fシリーズ」を発表し、これらに新開発の「高速PrecisionCoreラインヘッド」を採用したことを明らかにした。

同ヘッドは、新たに開発したノズル列長1.53インチ(従来品は1.33インチ)のPrecisionCoreマイクロTFPプリントチップを36個、600dpi×1200dpiに最適となる角度(56.3°)に配置することで、幅43mmを実現。1チップでCMYKすべてのインクを吐出する機構と組み合わせることで、システムの小型化を実現した。

有効ノズル数は約3万3500で、紙送りの速度を遅くすれば最大2400dpiまで対応することが可能だという。

「高速PrecisionCoreラインヘッド」の概要。斜めにした最大の理由は小型化とのこと

また、インクの吐出に用いるマイクロピエゾをセンサとして活用することで、ノズル詰まりを自動的に検知する自己診断システムを実現。これにより、ノズルが詰まっていると判断された場合、詰まったノズルの周囲のノズルからのインク吐出量を増やすことで、画質を維持することを可能とした。

左の顕微鏡画像の黒い面の小さな点がノズル。1チップでCMYKすべての色が吐出される仕組みとなっている。右は自己診断機能の概要。ノズルが詰まると、振動波形が通常とは異なる動きをするため、それを検知し、ノズルが詰まったと判断する仕組みとのこと

なお、同日時点では、まだノズル位置などの細かいチューニングをする必要があるとのことであったが、LX-10000F/7000Fの販売が開始される2017年5月までに解消される見通しであるという。

「高速PrecisionCoreラインヘッド」の本物。斜めになっている黒い線がTFPチップ。36チップの有効ノズルを併せると3万3500あるという