三菱航空機は1月31日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第21号にて、1月のトピックスを発表。北米にて2号機の試験フライト開始のほか、量産初号機の5度目の延期について触れている。

飛行試験機2号機が北米で飛行試験を開始

現地時間の1月5日、2016年12月19日にフェリーフライトを完了した飛行試験機2号機にて、米国では初めてとなる飛行試験を実施した。同日正午にグラント・カウンティ国際空港を離陸した2号機は、基本的な飛行特性を確認する試験を実施し、離陸から約2時間20分後の14時20分に、グラント・カウンティ国際空港へ戻った。米国モーゼスレイクフライトテストセンター(MFC)のエリアは記録的な寒さが続いている状況ながら、飛行試験は1日複数回実施しているという。

現地時間の1月12日には、ワシントン州商務省にて実施されたガバナーズエアロスペースミーティングに森本浩通社長が出席。同ミーティングは、ワシントン州のジェイ・インズリー知事と、州内に拠点を持つ航空会社・装備品会社・サービス会社などの代表が対話するもの。森本社長から知事に対し、シアトルやモーゼスレイクでの活動に対する協力への謝意とともに、型式証明取得活動・飛行試験の環境整備への更なる協力をお願いしたという。

森本浩通社長からMRJの写真を知事に贈呈

1月23日には、MRJ事業推進に関する説明会を実施し、開発スケジュールの現状や今後の取り組みなどについて説明。量産初号機の引き渡し予定について、一部装備品の配置変更等を実施するとともに、電気配線全体を最新の安全性適合基準を満たす設計へ変更するため、現在の2018年半ばから、2020年半ばに変更することを発表した。

三菱重工業本社にて宮永俊一取締役社長が説明

これらの設計変更は、機体性能や燃費効率、各種システムの機能性に影響を与えるものではなく、現在実施中の飛行試験においても型式証明取得に向けたデータ収集を継続。引き続き、世界トップクラスの性能を備え、最新の航空安全規制に適合したMRJを提供することを目標に開発を推進していく。

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