共同印刷は1月19日、2011年に開発を発表した「非吸着性フィルム」の加工性を向上させ、量産に適した高機能フィルム「ノンキャッチ」の販売を開始すると発表した。

非吸着性フィルムは、非吸着性・保香性・ガスバリア性などの機能性と、ヒートシール性とを併せ持つ高機能フィルム。同社は、非吸着性樹脂のEVOHとヒートシール性をもつポリオレフィン樹脂とをポリマーアロイ化する独自技術により、2011年に製品化していた。その後、2015年度から量産化に向けた取り組みを本格化し、湿度影響によるフィルム伸縮の低減およびフィルム寸法精度を向上させ、より柔らかく加工しやすい、量産に適した高機能フィルム「ノンキャッチ」として販売を開始するに至った。

同製品の主な特長は以下の4点。

  • 内容物の成分がフィルムに吸着しない(非吸着性)
  • 非吸着性、製品の香りや薬効を逃がさない保香性・スバリア性と、ヒートシール性能を両立
  • 素材となる樹脂本来の柔軟性を生かした、フィルム形状以外の包装材などへも展開可能
  • 同社独自の高機能フィルムとの複合化により、顧客ニーズに合わせた包装材の提供が可能

今後は、医薬品や食品、化粧品業界などを中心に販売を進め、「ノンキャッチ」を含め高機能フィルム全体で2021年度に16億円の売上を目指すとともに、新たな高機能フィルムの開発も進め、生活・産業資材系事業のさらなる拡大に取り組んでいくとしている。