俳優の松坂桃李と、演出家の堤幸彦氏が18日、東京・汐留の日本テレビで行われた同局系主演ドラマ『視覚探偵 日暮旅人』(22日スタート、毎週日曜22:30~23:25 ※初回22:00~)の第1話完成披露試写会に登場。同作に出演する、KAT-TUN・上田竜也の体を張った撮影に同情した。

『視覚探偵 日暮旅人』主演の松坂桃李(左)と演出の堤幸彦監督

このドラマは、山口幸三郎の『探偵・日暮旅人』シリーズが原作で、人間の五感のうち、4つを失った松坂演じる「探し物探偵事務所」の探偵・日暮旅人が、唯一残って研ぎ澄まされた視覚を駆使して、人・物・愛を探していく、ヒューマンミステリー。上田は、チンピラの青年で、やがて探偵の助手になる亀吉役を演じるが、冬に差し掛かった昨年11月に、タンクトップ1枚で撮影に臨んでいた。

松坂は「上田さんが大変だったなと思います(笑)。タンクトップでワーって走ったりしているシーンは、本当に寒そうでした」と同情。堤監督が「(タンクトップ1枚だから)ホッカイロ貼る場所もないよね」と合いの手を入れると、松坂は「堤さんは本当に鬼だなと思いました」とツッコんだ。

一方で、松坂自身も薄着のシーンが多く、CGではない本当の雪が降った天候でも撮影。猫が震えてすぐ室内に入ろうとするほどだったそうだが、視覚だけが残っているという設定上「寒さを感じちゃいけないんです」と言いながら、「体は正常に機能しているので、いくらなんでもというところの限界はありますね」と訴えていた。

こうしてキャスト陣が体を張って撮影に挑む中、堤監督はこの日の試写を見て「編集をまた直したくなりました」と本音を吐露。「本当に細かいニュアンスが大事なドラマでして、セリフ1つ1つを丁寧に確認しないといけない部分が結構あるんです。私はあまり撮り直しをしないんですけど、今回に関しては、撮影・編集が終わった後にニュアンスが違うところを発見して、撮り直したこともありました」と、繊細さが要求される作品であることを説明した。

今作では、劇中で松坂に見えているものが顔に映るという演出を行っており、堤監督は「"顔面プロジェクションマッピング"とでも言いましょうか…」と紹介。「(日暮旅人は)われわれに見えないものが見えるので、1回だけ、視聴者にだけ見えるものがあってもいいのかな」と、デジタル加工全盛の中で、あえてアナログによる表現手法を導入したことを明かした。

この2人のトークショーの模様は、LINE LIVEで生配信され、26万人以上が視聴。松坂は「ただの探偵モノではなくて、とてもヒューマンで、いろんな家族の愛の形があるということを再確認でき、受け止めることができる作品だと思います」とアピールした。