NGOのオックスファムは1月16日、17日からスイスで開かれる世界経済フォーラム(ダボス会議)を前に、格差問題に関する報告書「99%のための経済(An Economy for the 99%)」を発表した。

上位10%の収入、下位10%の182倍も増加

同報告書によると、2016年時点において、世界の富豪上位8人の総資産額は、経済的に貧しい50%に当たる約36億人の総資産額に匹敵することがわかった。

世界の富豪上位8人の総資産額、下位50%の36億人の総資産額に匹敵(画像はイメージ)

2015年時点では、世界の富豪上位62人が、下位50%の総資産に相当する資産を所有していた。今回、世界の富の配分に関するより正確なデータ(特にインドと中国)が新たに判明し、下位50%の総資産は、従来考えられていたものよりはるかに少ないことが明らかになった。

収入の推移をみると、1988~2011年にかけて、世界人口の最も貧しい1割の人々の収入は65ドルの増加にとどまった。一方、最も豊かな1割の人々の収入は1万1,800ドル増え、最貧困層の約182倍も増加していた。

現在、世界では10人に1人が1日2ドル以下でしのぐことを余儀なくされているという。オックスファムは、「世界は今、99%のための経済を必要としている」とし、「経済を私たちの手に取り戻し、『ヒューマン・エコノミー(人間らしい経済)』を実現しなければならない」と訴えている。

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